曼陀羅華綺譚
曼陀羅華綺譚 / 感想・レビュー
内島菫
「膨らむ闇」は、実兄つげ義春の「夜が掴む」や「外のふくらみ」が意識されているように思うが、義春よりも説明的なシュールさと暗さへの安心感が感じられる。巻末の原マスミの「かくも長き残像」、つげ忠男と写真家・中里和人の対談が、つげ忠男の漫画の特徴を考える上でおおいに役に立った。原氏も中里氏も鋭い。あるいは、義春よりも忠男の方がひねくれ度が少ないためか説明的なためか、ある種のつかみやすさはあるのかもしれない。
2019/11/10
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