塚本邦雄 (鑑賞・現代短歌 7)
塚本邦雄 (鑑賞・現代短歌 7) / 感想・レビュー
かふ
塚本邦雄短歌の入門シリーズの体裁を取って、百首の一首鑑賞。塚本邦雄は、前衛短歌のリーダー的存在でもあるし、膨大な短歌と共に評論も数多くあり、一度に捉えるのはなかなか無理な歌人ではあるが、思考としては釈迢空のうたの世界と重なる。和歌は日本の敗北で持って終わった世界であり、それ以降の短歌は滅びの挽歌であるという釈迢空はそれを感傷的な心持ちだったのだろうが、塚本邦雄になるとむしろその滅亡したものだから幻想世界で楽しめる、またそういう世界の滅亡を見てみたいとするものがあるのかもしれない。
2023/01/20
ダイキ
「塚本邦雄は、華麗なイメージで大胆に超日常を歌う作家のように思われるが、小市民的な日常生活を鋭く掘り下げる姿勢に、むしろその本領があるのかもしれない。」(孔子に随ふ処女ありしや 心冷え牛乳を晩夏の水もて淡む)
2024/06/26
yomihajime
戦後を代表する前衛歌人だが、日本のヌーベルバーグと言われた大島渚同様、作品そのものより権威を解体しようという意思を感じてしまう。故に80年代以降のライトバースやそれに連なる歌人の登場の中で影響力は弱まったような気がする。そして今、塚本邦雄は権威になったような気がする。その意味で香川景樹にも比せられるのでは。暴論。
2013/01/27
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