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夢十夜

夢十夜

夢十夜

作家
夏目漱石
金井田英津子
出版社
エフ企画
発売日
1999-03-01
ISBN
9784894192065
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夢十夜 / 感想・レビュー

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(C17H26O4)

読みかけのアンソロジー(『玄妖の水脈』東雅夫 編)に入っていたのを機に、重ねるようにこちらを読んだ。文だけで読むのも良いが、金井田さんの画と共に読むのはまた格別。ぞくり。よりすっぽりと世界に入り込んでしまう。夢の中の不条理にとぷんと浸ってしまう。画に拘らずなのだが、第一夜はいつ読んでも好きだ。うっとりとする。そしてこの女になりたい、と思う。

2020/11/18

ペグ

装丁と挿し絵が内容を盛り上げていて面白い。好きなのは幻想的な第一夜、怖い第三夜、理不尽な第六夜。そんな不条理話が十編。夢の中のお話だから、不条理で良い。それにしても、自分は夢の中であまり会話をした覚えが無くて、いつも一人で考えたり焦ったりしている。そして叫んで目が醒める。

2020/07/19

めしいらず

漱石の名篇に金井田氏の版画による挿絵が添えられた絵本。漱石の眩惑的な筆蹟が映し出した世界観を、金井田氏が確と捉えて画に刻印した10の夜のあやかし。何といっても第一夜が白眉。死に際の女が最期に流す涙の一筋、月明かりに光る真珠貝、湿った土や苔の匂い、落ちた星の欠片、落ちて来た滴に揺れる百合の花弁、それらが相まって立ち昇る詩情。美しいとしかいいようがない。第七夜での果てしなく落下し続けるイメージは、幼少期に見た夢と重なる。子供の自分が感じた、あの背中がゾクリとするような感覚を、久々に懐かしんだ。

2013/08/20

mii22.

再読。台風の過ぎ去ったあとの、しんとした静かな夜深くに、この物語はもの悲し過ぎる。お気に入りの美しい第一夜とゾッとするほど恐ろしい第七夜の他に今回は第三夜の暴かれた罪の重さにおののき、第八話の金魚売りの存在に得たいの知れない怖さを感じた。そして今夜私はどんな夢をみるのだろうか。

2018/09/05

♪みどりpiyopiyo♪

…すると女は、やっぱり静かな声で、でも、死ぬんですもの、仕方がないわと云った… ■先日読んだ萩原朔太郎『猫町』が素晴らしかったので、同じ金井田英津子さんの画と造本のこちらも読んでみました。■挿絵があると、読み心地が随分と変わりますね。これまでは、夢の中のホワンとした人々を想起していましたが、金井田英津子さんの挿絵で読んだら、もう少し生身の人間っぽさをかんじました。(文 1908年。画と造本 1999年、パロル舎)(→続

2020/02/09

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