愛書狂
愛書狂 / 感想・レビュー
ゲオルギオ・ハーン
本の挿絵に思い入れがほとんどないため著者の愛書ポイントは驚いた、というか愛書家とはこういう人々なのだと知ることができた。本書は著者が熱心に蒐集している19世紀ロマン挿絵本の中からお気に入りの本を紹介している。精緻かつ迫力のある挿絵の紹介がメインで、本の内容紹介はあっさりしている。著者は特にグランヴィルが好きなためグランヴィルが挿絵を描いている本の紹介はとにかく熱い。本が本のため日本での蒐集は難しくフランスで探したほうが効率的で購入コストも安くすむようだ。
2024/01/20
たくのみ
「レミゼラブル」のポスターに使われた挿絵師エミール・バゼールの挿絵。淡い色づかいの、はかなげな美女がほほ笑む、カラー口絵も素晴らしい。ファンタジーと風刺にあふれた19世紀のフランスの高級な挿絵本文化が、どのように成立し、写真文化に駆逐されていったのか。初期の写真家が、実は挿絵化上がりだったという皮肉。「フランス人の自画像」「野菜の帝国」「パピヨン」…たぶん一生手に取ることはないだろう高級な装幀本ですが、コレクションとして本棚に飾りたくなる気持ちが少しわかってきました。
2016/07/15
ayako
美しい装丁や素晴らしい挿絵の数々は、コレクション魂を刺激する。著者が魅了されるのがわかる~
2017/03/18
ルヴナン
序文にある通り学究的な内容ではない、言ってみればコレクターのコレクション自慢だ。しかし。自慢話を芸にする、これぞコレクターの冥利ではないか。
2015/07/21
入江大和
コレクターのその情熱は何処から生まれいずるのか!どれほど深いのか!先生の言葉の端々から滲んで来る愛で(少しだけですが)理解できました。書籍がそんな形で出版されていたなんて知らなかったので、興味深かったです。挿絵はどれも美しく眼福でした。好きって言う気持ちは、世界を動かします。
2013/06/27
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