山歩きの愉しみ (ランティエ叢書 3)
山歩きの愉しみ (ランティエ叢書 3) / 感想・レビュー
まーくん
串田孫一さん、哲学者、詩人、随筆家、勿論お名前は存じ上げていたが哲学や詩は敷居が高く、著作を実際に手にしたことはなかった。調べてみて著作が五百点を超える大変な人!旧制高校時代に山歩きを始め、冬山や岩登りも多く思索の人らしく単独行がほとんど。本書は『山渓』などに執筆した随筆を集めている。穏やかな文章を読んでいるだけで気持ちは自然の中に持って行かれる。目的地に着けず一人、夜の雪道を辿る情景など思わず心細くなる。最後に掲げた知人の娘さんを案内した「意地の悪い山案内」では優しさを秘め山の厳しさを伝える姿が印象的。
2022/12/11
はこ
若菜晃子さんの本に何度か串田孫一さんのエピソードが、出てくる。それで読みたくなりました。「何故人は山を登るのだろう」と始まり、ひたすら山の描写、鳥の声や厳しい雪の山、ただそこにいてスケッチをし、様々のことを思う。「ただ山の中にいたいのです」という思いがあふれた本でした。
2020/07/19
こばちん
哲学者であり詩人であり随筆家でもある著者の、山に関するエッセイ集。さすがに硬質で難しい文章を書かれるので、寝る前に気楽に読むという感じではないかも。でも読書の醍醐味を実感出来ます。こういう硬派の文章を楽しめる様になりたい…。
2015/03/23
UT
僭越ながら自分と「肌が合っている」気がした。上品なヒネクレ加減が心地よい。途中マインドフルの実践か?と思わすような文章もあった。山と瞑想はやはり近い。
2015/11/10
misui
「山の動物たちにとって、少しずつ動いていく私の燈は、片目の妖怪に見えなかったろうか。」
2014/09/24
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