女をめぐる断想 (ランティエ叢書 20)
女をめぐる断想 (ランティエ叢書 20) / 感想・レビュー
双海(ふたみ)
非常に興味深い理知的な論考だった。「高すぎる鼻は困りものだが、低すぎる鼻はかえって美点になる場合もある」たしかに愛嬌があって好ましい。「自分を美人と思っている女性にツマンナイ女が多く、自分を不美人と思い込んでいる女性に個性的美人が多い」「私が振返らない女性でも、彼女たちはそれぞれ恋人を持っており、その恋人たちは彼女たちをすてきな女性とおもっているわけです。(中略)まさに天[あめ]が下に不美人なし、美というものの基準はあいまいに限る」
2018/11/13
hirayama46
吉行淳之介の性にまつわる文章を集めた一冊。そこまで行き届いた編集、という感じでもありせんが、エッセイだけでなく小説からもテーマにまつわる文章を引っ張ってきているのは良いですね。ランティエ叢書ははじめて読みましたが、なかなか佇まいの良い本だったので、シリーズの他の本も読んでみたいですね。
2020/06/17
みどり
面白かった、なんというか多面的で男性も女性も楽しめると思う。吉行淳之介の作品は好きではなかったのだけれど、このエッセイ?は読みやすかった。エロティシズムとフェティシズム満載でいて、こんなにも男と女のことを理知的に考えて理系的に文に起こしているのが物凄いことだと思った。個人的に”美醜について”が興味深かった。”女性は、自分の容貌のどこかに特長を見つけて、ひそかに自負しているものだ。だから、女性をクドくには、その自負してそうな点を発見して、そこをやたらと褒めるにかぎる。” たしかにその節があるかもしれない!
2016/07/23
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