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金子みすゞ童謡集 (ハルキ文庫 か 3-1)

金子みすゞ童謡集 (ハルキ文庫 か 3-1)

金子みすゞ童謡集 (ハルキ文庫 か 3-1)

作家
金子みすゞ
出版社
角川春樹事務所
発売日
1998-03-01
ISBN
9784894563865
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金子みすゞ童謡集 (ハルキ文庫 か 3-1) / 感想・レビュー

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日常の中で目につく、本当に何気ないものを題材に、平易な言葉と流れるリズムで詠う彼女の詩は、読むたびいつも優しい気持ちになれる。言葉のまま自然なまま受け取ってもいいし、奥底にある揶揄を読み取ってもいい。読んだ時の自分の状況によって、優しさの中にある哀しみも辛さも時には感じるけれど、それが日々というものなのだと気づかされる。いろいろな想い、いろいろな見方、みんな違ってみんないいのだ。

2013/12/30

chantal(シャンタール)

二年前、下関辺りへの旅行を計画していた時、父が「金子みすゞ記念館に行きたい」と言い長門へ行くことに。「いつからガラスの仮面のファンになったんだろう?」と不思議だった。行って初めて気づいた、美内すずえと勘違いしていたことに。初めて知った金子みすゞと言う童謡詩人の存在。展示が好印象だったので購入したこの本、そのまま二年も熟成する事に。「みんな違ってみんないい」、人間からだけの視点ではなく、万物に向けられたその視線の優しさよ。時にその優しい言葉の中に残酷な現実が垣間見える。それでも読後に残る余韻は暖かい。

2020/02/11

ちはや@灯れ松明の火

海の中にはたくさんの涙のしずくがとけている。すいすい楽しく泳いでたお魚たちは皿の上、こうしてわたしに食べられる。空の上からちらちらと涙のしずくがおちてくる。目には見えない昼の星、おてんと様がつくる影、だれも知らずにひっそりと。空は青くて雪は白、卵の中から鶏が出て、種は大きな木に変わる、みんな知ってることだけどどうしてなのかはわからない。ほろりこぼれた花の露、まつげのはしにかかる虹、きれいな薔薇いろした笑い、みんな気づいていないけどわたしひとりが知ってるの。ひかりの中にたくさんの不思議があると知ってるの。

2015/07/18

さらば火野正平・寺

上戸彩の『金子みすず物語』を思い出しながら読む。私には詩心が無いので、自然や動物を扱った童謡は今ひとつだったが、子供を詠んだ詩は素敵だと思う。しかし26歳の自殺。切ない。矢崎節夫の解説は著作権の話なんてあってなんだか……。

2013/01/02

Gotoran

優しさ、温かさ、素直さ、溢れる“みすゞコスモス”に浸るために、心身ともに余裕があるときに、少しずつ、ゆっくり、味わいながら読んでいった。自然への慈しみ、生きとし生けるものへの温かい眼差し溢れる詩の数々。そこには、日本語の美しさ、優しさがある。「私と小鳥と鈴と」の“みんなちがって、みんないい”、「星とたんぽぽ」の“見えぬけれどもあるんだよ、見えぬものでもあるんだよ”が心に沁みる。26歳の若さで自ら命を絶った著者の悲運に切なさを感じずにはいられない。

2011/12/23

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