谷川俊太郎詩集 (ハルキ文庫 た 4-1)
谷川俊太郎詩集 (ハルキ文庫 た 4-1) / 感想・レビュー
クプクプ
面白かったです。特に1970年代に書かれた「生きる」という詩と1980年代に書かれた「少年Aの散歩」という詩がよかったです。私はよく人から、もっと自然体で生きろ、とか、もっとバランスを大事にしろ、とアドバイスされますが、谷川俊太郎は私に無いものを持っていて、読んで精神的な迷いが減ると感じました。谷川俊太郎は短い文章の中で、読者の気持ちをスッとリラックスさせてくれます。即効性がある詩だと思いました。谷川俊太郎を理解できて、非常に前向きな気持ちになった一冊でした。
2023/01/17
紫陽花と雨
ワタクシ、谷川俊太郎さんという方をよく知らず誤解していたようです。「生きる」など真面目な詩のイメージが強かったので、若い頃の、ちょっととんがっている詩や、ことば遊びの「おなら」や「う◯…(以下自粛)」とかに驚き(笑)いやでも面白いんです、谷川さんの詩、声出して読みたくなります。ことば遊びが本当に面白くて朗読向き。「黄金の魚」「昨日のしみ」の言葉に切なくなりつつ染み入り。個人的には「朝のリレー」が各国に朝日が昇る様が見えるようで1番好きです。ふふふと笑って少し切なくなる言葉たちにも出会える本。
2018/07/10
佐島楓
ふざけているような、言葉遊びをしているような中に、真理が潜んでいる。「生きる」という詩がストレートで好き。
2013/01/05
kochi
詩人谷川俊太郎の10代デビューから70歳前の1990年代までの作品が選ばれたもの。今なお現役の詩人について、コンパクトにまとまっている。用いられている言葉は平易なものながら、あっちでぶくぶく、こっちでぶくぶくと言葉が湧き出ていて、遠くから見てみると一つの作品が出来上がってくるような感覚で、単なる言葉遊びになってしまうその手前で留まっていて、つながる言葉の対比も面白い。例えば、モーツアルトの音楽を表現しているだろう「魂の真昼」「装飾音の小鳥たち」「16音符の首飾り」「耳の魚たち」等の生き生きとしていること!
2019/07/21
しいたけ
日向で読むべき詩集だと思っている。いろいろなところから、少しずつ抽出した谷川さんの詩。「朝のリレー」を読むと、目の前が開けたような不思議な高揚感に包まれるし、「生きる」を読むとまわりの景色がきらきらと輝いてみえてくる。でも今回心にぐっときたのは、『じゃあね』の一節。「くやしかったあの日のこと/けれどそれももう過ぎ去って/じゃあね/年をとるのはこわいけど/ぼくにはぼくの日々がある」。ここに感動するなんて、自分も年をとったんだなあ。
2015/11/03
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