物体O (ハルキ文庫 こ 1-12)
物体O (ハルキ文庫 こ 1-12) / 感想・レビュー
すしな
051-21.ツボにハマりました。ある日突然、関東から近畿にかけてすっぽり上から謎の物体O(丸い枠)によって覆われる話です。大気圏以上の壁なので脱出するには、ロケットで超えていくしか無いんですよね。中央集権の中枢が隔離されてしまった状態なので、枠の外の自治体の間のその後の対応が、民主主義をベースとした国のあり方を考えさせられる内容でした。
2021/04/29
あぶらや
長編とはまた違った味わいの短編小説。趣きもそれぞれ違う内容だが、やはり小松左京と言う感じだ。 それにしても題材の不気味さとはうらはらに筆はなんとおおらかな事か。
2015/03/10
レイ
実に中身の濃いSF短編集。シミュレーションSF、ホラー、ミステリ仕立てSF、進化ものなど、バラエティに富んでいる。さすがは小松御大と言うべきか。選ぶのは難しいが「お召し」、「自然の呼ぶ声」、「牙の時代」が気に入っている。「袋小路」は難しかったが、最後に何ともセンチメンタルに転じるところが、堪らなく好きだ。「SFってのはおセンチなんだ」と別の文庫に収録されたインタビューで、小松氏が語っていたのを思い出した。正にそれを地で行く作品だと思った。・・・ずっと体調が悪く、読書量激減。困った。
2013/06/21
オシャレ泥棒
図書館 収録作:物体O/お召し/終りなき負債/自然の呼ぶ声/彼方へ/五月の晴れた日に/石/黴/袋小路/牙の時代/静寂の通路/極冠作戦 「彼方へ」「袋小路」〜「極冠作戦」以外既読。「お召し」は何度読んでも素晴らしい。大人はどこへ行ったのか、円盤の正体は何なのか、「みしるし」とは円盤のことなのか、現れるのはなぜ四年に一度なのかなどいくつもの謎が残されているが、その分からなさと物語の短さも含め素晴らしい。
2018/10/17
チクタクマン
どことなく「起こり得そう」な話が多く、それだけ読んでいて不気味な気分になった。地球上のあらゆる動物がヒトを襲い始める「牙の時代」や、公害問題に端を発して起こった不妊・子供の早死にを描いた「静寂の通路」から、特に不気味さを感じさせられた。
2017/10/21
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