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くだんのはは (ハルキ文庫 こ 1-17)

くだんのはは (ハルキ文庫 こ 1-17)

くだんのはは (ハルキ文庫 こ 1-17)

作家
小松左京
出版社
角川春樹事務所
発売日
1999-09-01
ISBN
9784894565623
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くだんのはは (ハルキ文庫 こ 1-17) / 感想・レビュー

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夜間飛行

各話とも夢幻のような女の人の話で、ホラーだけれど行く先々の歴史や風土を丹念に描いている。表題作は、空襲で家を焼かれた少年が能面のような和服婦人に導かれ静かな屋敷に引き取られる話。黒光りのする廊下に面した部屋部屋の贅沢さ、便器から立ち昇る杉の香り、どこからともなく聞こえる病気の女の子の声や、お咲さんの運ぶ血と膿を湛えた洗面器。戦時にあって異常なまでの美に挑み掛かる少年の言動も哀れだが、彼の眼に映る人と物の全てが哀れだった。原爆投下や敗戦を予期し滅んでゆく母娘に戦慄させられる。これも一種の戦争文学か。1968

2021/08/05

ラルル

創作とは思えない妙なリアリティがゾクリとさせられます。この言い知れぬ不安感が日本の怪談らしくて良いですね。今では件も都市伝説となりましたが、件の伝説は大昔から在りました。それが新耳袋で有名になり、語られ、語られ、とうとう都市伝説化した。新耳袋発祥の山の上の牧場もそうですね、語られ語られ都市伝説化。そう考えると新耳袋って凄い影響力だったんだなぁと思います

2014/09/25

すしな

065-21.くだんのははは、自分の今の行いが子孫に影響を与えると思うと真面目に生きないといけないなと思いました。 060-21.お糸ですが、時をかける少女のフォーマットですよね。アニメ化か実写化されないですかね。

2021/06/01

てっちゃん

小松左京さんの怪談よりの短編集。表題作の「くだんのはは」は既に何度も読んでいて、ストーリーも結末も知っているけど、それでも面白い。日本の怪談小説の中では名作中の名作だと思う。それ以外では「お糸」の時代劇版のSFも良かったけど、「~の女」という一連の女シリーズがどれも情緒があって本当に面白かった。この本を編集したのも日下三蔵さん。ミステリーからSFからホラーから本当に範囲が広くて楽しめる本を出してくれていて有り難いです。

2021/01/17

てら

小松左京はSF以外の作品も超一流だと思い知る。人情話の要素が強い作品でも博覧強記が有機的に物語にからみ、いつも通り圧倒される。民話、歌舞伎、謡、民芸…もちろん歴史、風土、科学、地理、天文、そしてグルメ、落語その他その他。「桂文都」というキャラクターは桂米朝がモデル。二人は盟友。泣けます。

2014/07/20

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