夜が明けたら (ハルキ文庫 こ 1-19)
夜が明けたら (ハルキ文庫 こ 1-19) / 感想・レビュー
セウテス
【小松左京短編集】ハルキ文庫シリーズ全8巻の最後の文庫で、小松左京氏の発表作品を新たにまとめたもの。よって、既に読んだ作品ばかりではあるものの、SFと言っても範囲が広い。小松左京氏のインタビューなどを、新たに載せているのも価値が高い。タイトル作品を含めて、作者の作品は本当に起きてしまいそうで、背筋が寒くなる作品が多い。たんに恐怖や驚愕するというものではなく、科学や事実に基づいた丁寧な作品であったのだと、今現在になって実感している。「復活の日」「日本沈没」を、読んでいない読者への入口になる作品集だと思う。
2021/01/18
うーちゃん
17話から成る短編集。SFベースのホラーだが、SF初心者の私でも大変楽しめた。どの話も オチが怖い。衝撃的なオチをしかっりと用意しておきながら、尚且つ 「その後 どうなるのか」を こちらに想像させ、さらなる恐怖感を呼び起させる。小松氏は豊かな想像力を駆使して、たくさんのスケールの大きなSF作品を書いた人だけれど、人間の想像力の持つ可能性を、読み手の私たちにも信じてほしい、広げてほしいと思っていたんじゃないかな。どれも怖いが特に「夜が明けたら」「沼」は、ネットの関連スレッド等で今なお語り継がれる名編。
2013/10/07
志摩子さん
表題作が印象に残りそうです。
2016/03/12
ettyan えっちゃん
表題作は、いろいろな意味で寒気がする。家族がいる人はこの後のサバイバルについていろいろと考えをめぐらせてしまうだろう。心霊っぽいものから、侵略もの、新人類ものもありバラエティー豊かなホラー系短編がまとめて読める。ハルキ文庫のこのシリーズの8巻目で最後の作品なので、 今までの短編集を総括した小松左京へのインタビューが読める。その中で「虚無回廊」の概要も伺える。興味がある人はそこだけでもオススメ。 このシリーズ他の短編集が品切れで手に入らないが中古店などでは探しやすいのでぜひ。
2012/01/28
wasabi
怪奇小説中心の短編集の中で「兇暴な口」だけ異質。機械で補修して生命を維持しつつ自分の身体を解体しながら食し、ラストシーンは口だけ残して脳みそを食らう悪夢的光景が拝める素晴らしきキチガイ小説。野坂昭如『てろてろ』とマックス・バリーの『機械男』を思い出した。
2014/05/27
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