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待っていた女,渇き (ハルキ文庫 あ 10-1)

待っていた女,渇き (ハルキ文庫 あ 10-1)

待っていた女,渇き (ハルキ文庫 あ 10-1)

作家
東直己
出版社
角川春樹事務所
発売日
1999-12-01
ISBN
9784894566071
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待っていた女,渇き (ハルキ文庫 あ 10-1) / 感想・レビュー

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ずっきん

本作を読んだことで犯罪小説のハードルがガン上がりしてしまったという読み友さんのレビューに釣られて。よくあるハードボイルドモドキとか、社会派エンターテイメントモドキとは一線を画してると思う。キャラも展開もテンポも筆致も絶妙な塩梅で、作内にズブズブと沈められてく。海外クライムスリラを読み慣れてると国内物はとにかく読み足りないんだけどなぜだかわかった。読者に忖度して遠慮があるからだ。本作はその辺容赦無し。それがリアリティを増す。極めつけに「夜を汚すなよ」はああぁー、なんて骨太でエロい台詞じゃあああー!追います♪

2022/04/08

セウテス

探偵畝原シリーズ第1弾。姉川との出会いとなる事件を描いた短編「待っていた女」と、北海道の闇を描いた長編「渇き」の2作品。すすきの探偵シリーズと一番の違いは、娘という守る家族がいる探偵を描いている事だと思う。主人公の畝原は、見た目冴えない中年の40代であり、むしろ周りの登場人物の方が個性的である。ハードボイルドよりは悪と対峙する者が、自分の家族の安全と仕事の狭間で心情を語る物語に感じる。世の中の正義を守る為に悪の側から逆恨みされる可能性を理解し、それでも家族の仕事を応援する事が私に出来るのか考えさせられる。

2018/08/20

aquamarine

読友さんオススメの一冊。凄い勢いで一気にラストまで読まされてしまいました。主人公は職業探偵にもかかわらず特別要領がよかったり力が強かったりするわけでもなく、信念を貫きながら一人娘のことを第一に考えるというハードボイルドらしからぬ普通の人間らしさが、逆にとても魅力的です。沢山の登場人物も綺麗に描き分けられ、戸惑うこともありませんでした。色々なことが一つに繋がり、迎えるラストは息を止めました。こんな「渇き」は認めません。大切なものを守るためなら人間は本当に強いです。ほっとできるラストで本当に良かったです。

2017/05/14

ももっち

読友さんオススメ。これは面白い。そして、評判通りカッコイイ!プロローグ的な短編があり、次の2編目の渇きが普通に1冊のボリュームと不思議な構成。この1編目で重要な出会いがあるのだ。ヤクザに嵌められ失職した元新聞記者・畝原が個人で営業する探偵事務所。この畝原が、タウン誌の社長への社会的制裁への協力依頼を受け、巻き込まれた殺人事件。社会的に貶められた探偵が、10才の娘を懸命に育てながら、信念と臨機応変な手腕で調査を進める。この人情味がハードボイルドを際立たせる。周囲の協力者たちも魅力的。なんとも上質な探偵小説!

2017/05/06

森オサム

凄く真面目な中年探偵を主人公としたハードボイルド。今まで知らなかった事を後悔するほど面白かった。周りにいる沢山の協力者たちも皆魅力的だが、なんと言っても健気な娘が可愛い過ぎる!。信じては裏切られ、真実は隠され、誰が本当の味方なのか分からない。自分の眼で見える範囲以外には確信が持てず、疑心暗鬼と不安を強がりと軽口で吹き飛ばす。ハードボイルドのストーリーはそうやって展開して行くと思うんですが、本作はそこで娘の存在が効いてくる。絶対に捨て身には成れない探偵、教えて貰った読友さん達に感謝。私も娘が欲しかったなぁ。

2017/05/14

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