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新化 (ハルキ文庫 い 4-1)

新化 (ハルキ文庫 い 4-1)

新化 (ハルキ文庫 い 4-1)

作家
石黒 逹昌
出版社
角川春樹事務所
発売日
2000-01-01
ISBN
9784894566262
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新化 (ハルキ文庫 い 4-1) / 感想・レビュー

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シタン

今をときめく某SF作家をして「一番好きな日本SF作家」と言わしめ、芥川賞候補にもなった石黒達昌の作品。架空生物を題材にした研究レポートという冷たい形式は「これぞサイエンス・フィクション!」と抱きしめたくなるほど愛らしい。ところがSFとしてはこれは異端なのだ。生物学や科学哲学、利己的遺伝子論などに言及しながら深遠な思索を展開するのだが、なぜその根底に叙情性が存在し、読む人の心を打つのか。感情を徹底的に排したエモーショナル生物学SFミステリー。このような作品が主流になっている並行世界に行ってみたいものである。

2020/08/24

ナカユ〜、

架空の動物の生態報告書形式の小説ながら、実に読ませる。確かに地味な作品ながら妙に光る。パニック物SFもいいんだけど、こういう静かなのもいいよね。

2013/06/25

★★★★★

架空の動物の絶滅をめぐるルポルタージュ風小説。ルポ風小説は珍しくないけど、それを完全に理系の話題でやったのが斬新だと思いました。ミステリ的な楽しみと論文を読むときの知的な興奮を同時に味わえます。永遠に近い命という特異な生態を持ちながら、進化の袋小路に入り込んで絶滅の危機に瀕する種という設定が、人類へのアナロジーになっていて奥行きを増していますね。これはすごく面白かった。しかし荻野アンナの解説はいらないだろ……読後感ぶち壊しですよ。

2011/04/07

ぼっせぃー

客観に徹した文体がまたじわじわと怖い。それはこの小説の中で、科学を突き詰めた先に、科学を構成するものと我々が信じてしまっている合理性が反転する所にあるのだろう。一見どこまでも科学的に書かれているにも関わらず、その果てにグロテスクなバグとしか思えないアンビバレントが待っている。私の信じる世界のルールが、無数にある世界のルールのひとつでしかないと感じるところに恐怖がある。一級のPOV形式ホラーと言っていいのだろう。

2021/01/11

miroku

論文かテキストのような文体。 会話も、心情描写も無い。 不思議な作品だが、妙な迫力と魅力がある。

2009/08/09

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