題未定 (ハルキ文庫 こ 1-24)
題未定 (ハルキ文庫 こ 1-24) / 感想・レビュー
Kouro-hou
連載タイトルも思いつかないほど行き詰った小松左京さんの苦悶のサイコパワー?が、日本の歴史を改変し世界まで滅ぼそうとするタイムトラベルSF中篇。主人公は小松左京さんで、前半は同時期の作家の実名が多数登場する楽屋オチ的ドタバタもの、後半は左京先生が過去の日本に飛ばされて大変マニアックな知識とダジャレネタを披露しつつマゴマゴする話だったり。「現実の自分と作中の自分の折り合いがつかないから私小説とかちょっと」とか「日本沈没の第2部が不評」とか「筒井康隆にだけは面倒だから弱みを見せたくない」とか小ネタが楽しい。
2015/02/23
gushwell
主人公が作者本人という現実と虚構がごちゃ混ぜになったドタバタタイムトラベルSF。雑誌連載の小説の題が決まらないという愚痴から始まったこの話が、途中から思いもよらぬ方向へと話が進んでいきます。中盤からは作者の歴史オタク的な知識が披露され、ちょっと理解不能状態に。この手の話はオチをどうつけるかが難しいのですが、想像通り「どうなの?」的な... まあ実験小説だと思って読めば楽しめます。
2017/05/09
hirayama46
様々な要素のごった煮的長編ですが、ちょっと分量的に書ききれていないというか、アンバランスな部分もあったように思えました。小松左京、実際にネタに困っていた感じはしませんが、やはり少々急ぎ仕事ではあったのかな、という感。小松左京の地力の強さで楽しませてくれた作品でしょうか。
2017/11/22
kuroro
再々々読位?オチが分かっていても思い出して読みたくなる小説。心のどこかでしょーもないなぁ(笑)と思いながらも読んでしまう。多分初めて読んだ頃の自分が懐かしいんだろうなぁ。
2014/06/03
仮ッ子
歴史に疎いので、中盤以降の面白さがイマイチ理解できず。それは自分の力不足のせい。歴史って、案外取るに足らないようなことで、大きく変化してしまうのかもしれない、と思うと、つまらない自分の日常もどこかドラマチック。
2012/09/10
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