三国志 (9の巻) (ハルキ文庫 き 3-9 時代小説文庫)
三国志 (9の巻) (ハルキ文庫 き 3-9 時代小説文庫) / 感想・レビュー
W-G
主要人物の老いが、いよいよ物語の質感を静かなものに変えていく。なんだか悟ってしまったような曹操。初登場時とは最早別人の冷たい孫権。そして劉備も、孔明と一緒になることで魅力が消えて、狡猾さや卑小さが目立つようになっている。などなどいいつつ、結局はこの巻は関羽のためのもの。部下との温度差から不穏な空気が出つつ、孔明の戦略で興奮を煽りつつも、どこか青白い描写の関羽。最期には哀しくも綺麗に散っていった。改めて振り返ると、実はそれほど大きく取り上げられていなかったが、偉大な武人の存在感はしっかりと示していた。
2018/12/19
はっせー
この時期辺りから時代を彩った英雄たちが次々と表舞台から消えていく。黄巾の乱からもう何十年も経っているのだから。今回の主役は関羽である。荊州の守護を司っている関羽が奮闘する。内政や戦争で才能を発揮するが仲間の裏切りもあり窮地に立たされる。関羽自身が内政や戦争の才能があるため嫌でも出来ない人間に目がいってしまう。その出来ない人間をどうするかで自分の命や国の将来さえ変わってしまう。出来ない人間を切り捨てるのではなくどのぐらい妥協して協力できるかが重要だと感じた。関羽が表舞台から消えてしまうのは悲しい!
2021/01/24
ehirano1
曹操の離間の計により関羽を死なせてしまうかもしれない、という葛藤のシーンが非常に印象に残りました。しかし、曹操が最終的は“ボス”としての判断をしたのは曹操らしかったと思いました。
2017/06/11
へロム
この前つぶやきましたが、電車にこの本を置き忘れました。まだ、ブックカバーとともにでてきません。あと20ページほど読み残していたのですが、諦めて10巻目を読み始めました。関羽の書き込みが多くなったので、北方版の傾向として亡くなるんだろうなと思い、10巻目に入ったとたん、張飛の咆哮から始まった。9巻では遂に魏の曹操と呉、蜀の同盟軍の戦いが始まり、大きく動き始めた。関羽が亡くなる場面は悲しくなるから、読めなくて良かったのかも。
2014/01/28
Kircheis
★★★★☆ 北方版では割と不遇な扱いを受けていた関羽がついに天命を迎える。オリジナルエピソードがあまり用意されておらず、華雄や顔良、文醜との一騎打ちもあっさり描写されたのが残念だったが、最後はかっこよかった。
2018/02/03
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