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ブレンダと呼ばれた少年

ブレンダと呼ばれた少年

ブレンダと呼ばれた少年

作家
ジョン・コラピント
John Colapinto
村井 智之
出版社
無名舎
発売日
2000-10-01
ISBN
9784895859370
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ブレンダと呼ばれた少年 / 感想・レビュー

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Christena

ジョン・マネー医師のマッドサイエンティストっぷりが怖い。社会学の授業でジェンダーについて勉強したことを思い出した。男性なのに本人の意思に関係なく、実験的に女性にされた本人の語りは、読んでいて辛くなった。

2014/08/15

むっちょむ

辛くて少しずつしか読めなかった。この時代だけでなく、医学や研究が困っている人を助ける為に存在せず、患者、困っている当事者が研究者の実験台として存在してると捕らえてる偉い学者さん、今でもたくさんいるんじゃないかな。ここに出てくるマネー博士も他人の子どもではなく、自分のペニスを切り落として、自分に膣を作って研究すりゃいいのに。「医学においては正しい答えを持っていても周囲の意見が同調できるように待つこともこの仕事の一部」とか、めんどくせ~世界。半陰陽者にしろ、マイノリティが排除されない社会を願います。

2014/09/10

Q afuremark あふれ印

内容を知らないままずっと気になっていた本。医療事故で男性器を失った子供に対し「無くなったんなら女の子にしちゃえ!」と乱暴な改造が加えられ、本質とは違った育てられ方をしたために彼も家族も苦しまねばならなかった、という内容だった。人為的に作り出された性同一障害? 彼は自殺未遂を繰り返すが、子連れのシングルマザーと結婚し、最終的に男性として安定した人生を得る。「男というのは妻を大切にし、家族の上に屋根を築き、良き父であってはじめて一人前だ。おれはあの子たちを育てている。それこそ男ってことさ」と言えるまでになる。

2015/09/22

うにこ。

赤ちゃんの時の包皮切除手術のミスでペニスを失った男の子が、性転換手術で女の子にされて、当時の性医学の権威だった博士の持論「自己の性別の認識は環境に依存するものである」の実験台にされてしまった話。 読んでると、かなり悲惨です。 博士の独善的な理論のために彼とその家族が被った精神的・肉体的な被害はものすごいものがあります。 あと、これ系には珍しく文章が「読ませる」ものだった。 悲劇を強調するわけでも、著者の主観を挿入するわけでもなく、それでも突き放した文体になっていない。 後半の誤字はすごかったですが。

2004/05/09

saba

遺伝子上の性及び身体的特徴から視認する性と自覚的な性の不一致は存在し、それも性自認のバグということではなくまた揺らぎもあるとの認識が一般化してきているとは思う。個人差はあれ、潮流としては。その流れに至る途上で、不幸な事故とその後の「強制された矯正」に苦しんだ双子が痛ましい。ましてデイヴィッドは性自認さえ何年も許されなかった。子供に大人の行為の真似事をさせるなんて、もはや虐待じゃボケが。マネー医師の姿は盛られて描かれているのかもしれないが、双子を実験台扱いしたことは事実だ。大学の卒業論文の件は恐ろしかった。

2021/02/20

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