いちょうの実 (ミキハウスの絵本)
いちょうの実 (ミキハウスの絵本) / 感想・レビュー
Hideto-S@仮想書店 月舟書房
旅立ちの時は秋。その日が近づいてきて、子どもたちは準備に余念がありません。大好きなおっかさんとの別れを悲しむ者、不安が拭えない者、冒険に心をわくわくさせる者……。なにしろ1000人の子どもがいるのです。毎年のこととはいえ、子どもたちを送り出すおっかさんは、悲しみのあまり扇色の黄金の髪をみんな落としてしまいました。東の空が白く燃え、光の束が矢のように飛んできて、いざ旅立ちの時。北風が銀杏の実を迎えに来ると、秋も仕上げだなあと感じます。ミキハウスの絵本から。2008年10月初版。
2015/10/20
tokotoko
宮沢賢治さんへ。もしかしたら、壮大なおっかさんの愛と、それを知ってか知らずかバタバタと次々と巣立っていく子達のあっけなさを、さみしさと共に伝えたかったですか?でも、なぜか今、こんなにも可愛いイラストと一緒に、大人にも子どもにもニッコリしながら読まれています。嬉しいですか?それとも、?が湧いてますか?今は昔ほど、親子間で巣立ちとか少ない感じだから。交通網も発達して、すぐに会いに行けるしね。親子の距離も近い。友達親子の時代です。でも私の家は、違う。いちょう家族と似ています。だからこの本、じーんときたよ。
2016/05/04
モリー
いちょうの実がいっせいに落ちる場面を見て、こういう物語を紡ぎ出す宮沢賢治の感性が素敵だなあ。
2019/11/09
♪みどりpiyopiyo♪
…いちょうの実はみんな一度に目をさましました。そしてドキッとしたのです。今日こそはたしかに旅立ちの日でした… ■銀杏達の可愛らしい旅立ちのお話を読みました。宮沢賢治の作品の中では、憂も非情もなく 格別に朗らかに感じます。ちびっ子達が、旅立ちを前に そわそわしたり 奮い立ったり、そのおしゃべりが愛らしい♡ ■”100%ORANGE” の 及川“賢治” さんのキュートでポップな絵もぴったり♪ ミキハウスの絵本は名作揃いですね ( ' ᵕ ' ) (絵 2008年)
2019/11/13
greenish 🌿
いちょうの実はみんな一度に目をさましました。そしてドキッとしたのです。今日こそはたしかに旅立ちの日でした ---我が子を旅立たせる淋しさに打ちひしがれるいちょうの木(母親)と、旅立ちにソワソワやドキドキを隠せないいちょうの実(子どもたち)。 子どもたちなりに助け合い、支え合いながらひとり立ちしようとする姿がとてもいじらしいですね。 宮澤賢治さんの優しい言葉と及川賢治さんの輝くような黄金のイラストが、とても素敵です。悲しむ母親と旅に出た子どもたちに降り注ぐ、輝くばかりのお日様に、ホロリとさせられました。
2013/11/16
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