吉行淳之介 (昭和の短篇一人一冊集成)
吉行淳之介 (昭和の短篇一人一冊集成) / 感想・レビュー
悸村成一
図書館本。 54
2014/09/08
うずまきねこ
思った以上にくだけている印象があり、まさに大衆小説と純文学の「すれすれ」の雰囲気だった。男性から見る女性像として『風景と女と』『ハーバー・ライト』『札幌夫人』が良い感じだった。どこか滑稽ながらも、女性に関心を持ち続けるこれらのイメージを、もっとこの作者の他作品にも見つけられればと思う。コミカルさでは、『悩ましき土地』が一番な気がする。解説もすごくためになった。
2013/03/25
かがみん
吉行淳之介は読み方を強制してこないのが心地よい。答えを見つけるのは読者だと、はねつけてくるのではなく、もっと寛容に、ふしぎをふしぎとして楽しませてくれる。さて、本書では、「ハーパーガール」「騙す」が個人的に気に入った。両者とも"決められた嘘"によって主人公が翻弄される話。実に吉行的な落としどころが面白い。
2012/05/15
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