幻燈 (大佛次郎セレクション)
幻燈 (大佛次郎セレクション) / 感想・レビュー
でろり~ん
やっぱり小説はいいもんだなあ、と思わせてくれる一冊でした。天狗さんも良かったけれど、なにも活劇部分が好いというのでもなし、日本人を書いているってことだよね。にしても、これを書いたのは戦後すぐ。帰郷も同じころの小説だということを考えると、変わらざるを得ない世の中を捉えようとしたんだろうと思いますね。徳川幕府の瓦解。一面焼け野原になった戦後の日本。生きている人間には意地もあって、昨日まで信じていたものを忘れろと言われて、簡単に納得できるものでもない。でも、生きていくためには前を見て歩きなさい、ってことですか。
2019/11/25
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