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とし子抄

とし子抄

とし子抄

作家
宮沢賢治
井上 文勝
出版社
未知谷
発売日
2012-10-01
ISBN
9784896423891
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とし子抄 / 感想・レビュー

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新地学@児童書病発動中

妹とし子について書いた賢治の詩を集めたもの。再読。前回詠んだ時は「永訣の朝」が一番心に響くと感じたのだが、今回は一連の挽歌に感情移入して読んだ。とし子を失った傷心の賢治の心に目に映った心象は、透きとおるように美しい。とし子の色は「青」だと賢治は書いている。賢治の色も「青」のような気がする。自分の「青」をとし子の「青」に混ぜ合わせるために、挽歌の詩を書き継いでいったのではないかと思った。

2017/03/22

新地学@児童書病発動中

賢治の妹とし子を主題にした詩を集めたもの。編者によってとし子と賢治のかかわりも詳細に書かれており、収録された詩の理解を深めることができる。賢治の詩は難しいが、とし子のことを書いたものは胸の中にすっと入ってくる。それだけ心がこもっているのだろう。とし子のことを書いた詩をまとめて読むことで、改めて宮沢賢治の素晴らしさが分かった。誇張した言い方をすれば、賢治の詩はこの世界を超えて、宇宙そのものに直接つながる豊かさと美しさを持っているのだ。大切な人を亡くした時に本書を読めば、大きな癒しになると思う。

2015/02/11

やこ

この本に出会えてよかった。小さいとき彼の伝記漫画を読んだ際は、この人の生涯が理解出来なかった。どうして、そこまで、と思うことも多かった。大切な人を失った今、この本を読んでみて彼の妹、とし子さんの死から始まった彼の心象の移り変わりと信念を感じることが出来た。解説があって詩を読んだだけでは分からないであろう解釈を知れた。彼と同じ時代に遠くヨーロッパで同じ考えを抱いていた人がいたこと、また千の風になっての基であろう詩は感慨深い。沢山のものを受け取ってきた人生、これからは私も人のために何か与えられる人になりたい。

2020/06/02

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