S.モームが薦めた米国短篇
S.モームが薦めた米国短篇 / 感想・レビュー
りつこ
モームが選んだアメリカ人作家の書いた短編って、モーム好き、そしてアンソロジー好きにはたまらない。既読は「エミリーに一輪のバラを」だけ。これを初めて読んだのはおそらく大学生のころだったと思うが、あの時の衝撃は大きかった。フォクナー以外もフィッツジェラルド、スタインベック、ヘミングウェイ、ウォートンと有名どころが名前を連ねているが、どの作品も面白い~。全然色あせてないのがすごいなぁ。ヘミングウェイには苦手意識があったのだが、これを読んでちょっと他の作品も読んでみようかなという気持ちに。
2018/01/24
くさてる
6篇というのが少なすぎると感じたけれど、読みごたえは素晴らしいので納得した気分になりました。この一作!というのが選べないくらいにどれも名作揃いなので、既読の物ばかりという人も多いかも。わたしの好きなフォークナー「エミリーに一輪の薔薇を」があって良かった。初読では、イーディス・ウォートン「ローマ熱」がラストの一文を読んだ時に声が出ました。怖い。
2018/03/07
Cinejazz
サマセット・モームが編んだ米英の短編集(1943年初版)から、米国人作家の六編が紹介されています。のめり込んで読み耽ったのは、A.ヘミングウェイの『フランシス・マカンバ-の短い幸せな生涯』とJ.スタインベックの『贈り物』でした。F.フィッツジェラルドの『再訪のバビロン』とW.フォ-クナ-の『エミリ-に一輪のバラを』も云い知れね深い味わいを残しました。S.モ-ム曰く、小説はプロットが大事な要素で、読者を驚かすどんでん返しのような予期せぬ展開があるのが良いとし、作品選定基準にしたようです。(県立図書館蔵書)
2020/09/05
kankoto
好きなのは「贈り物」「フランシス・マカンバーの短い幸せな生涯」「ローマ熱」 「贈り物」父から送られた仔馬に対する少年の気持ちの揺れが描かれている。そして最後はずっしりと来る。「フランシス・マカンバーの短い幸せな生涯」、ヘミングウェイらしいと言えるのかな。。サバンナの風景が想像され最後の展開にあぜんとなった。「ローマ熱」はちょっとしゃれた感じで面白い。この作家の事は知らなかったので他も読んでみたい
2018/01/05
su-zu
短編に関してはプロットが大事という信条があったモーム好みの、切れ味鋭い作品ばかり。スタインベックの「贈り物」は少年が仔馬を父から贈られ、愛し、失うまでを、状況を淡々とつぶさに描いている。行間からは少年の心の動きが痛切に伝わり、タイトルも含めて、くさびを打ち込まれたように刺さる。ウォートンの「ローマ熱」はまさにモーム的な作品でこれも実にいい。アンソロジーは苦手なのだけれど、全編モーム一色に彩られているのがいい。久しぶりにシンプルに短編を楽しんだ。
2018/02/20
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