安土城築城異聞
安土城築城異聞 / 感想・レビュー
渡邊利道
ルネサンスを専門とする著者自身の経歴を思わせる大学生の主人公が、信長の業績に関心を持ちつつボローニャへ留学し、そこで目にしたイエズス会の人物の覚書から、安土城築城と本能寺の変の秘密を知る、という歴史小説的謎解きと共に、同時代として転形期のヨーロッパと日本を「城=都市」の構造に精神史的な鏡像を見るという趣向がなかなか面白い。青春のエロスの書き方がいかにも往年の日本文学っぽいのもちょっとしたノスタルジーをそそる。
2019/12/19
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