音楽都市のパラジット: 共振する思考
音楽都市のパラジット: 共振する思考 / 感想・レビュー
ぷほは
音楽の素養がないため、ほぼちんぷんかんぷんだったが、90年代のカルチュラル・スタディーズの雰囲気がよく伝わる。ミシェル・セールのパラジット=奇食者の論があるかと思いきやそれは単に著者の上野自身の経歴の問題を言い表したもので、本論では音楽論・映画論・小説論などなどの文化ジャンルが国境や学派などの様々な境界線を横断しつつ言及されていく。『荒野のおおかみ』がほぼ国内の商業アニメーションだけをとりあげていたことと比較すると興味深い。いわば、上野自身が奇食者的視点から狐狼的視点に映ったということなのだろう。
2015/10/24
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