箱庭センチメンタル
箱庭センチメンタル / 感想・レビュー
ヨコツ
殺人や強盗、誘拐等の事件現場を撮影した写真家のエッセイ。そういう高尚な悪趣味、僕は嫌いじゃない。犯罪や悪について語るとき、しばしば人は限りなく独り善がりになるけれど、本書もその独り善がりの塊だと言える。ただしそれが悪いと言っているのではない。だってそうでなくちゃ読む意味がないじゃないか。読んでいて共感するも嫌悪するも、振れる方向こそ違えど情動であることに疑いはない。人が偏った見方をした文章というのは、そういった情動を呼び起こすという意味で、読む価値のあるものだと僕は思うのだ。
2013/07/07
とま
『悼む人』からこの本へ。元新聞記者の写真家が事件現場を歩いて写真を撮る。2000年前後の事件でまだ犯人が捕まっていない世田谷一家殺人事件や佐賀市十七歳バスジャック事件など、当時小6中1だったけど覚えてる事件も。そんなに読む気じゃないけど、タイトルに惹かれて買ってみたのが、このタイミングに。不思議と悪くない読み物でした。
2015/01/09
まかほ
事件現場、事件のあった街の風景のフォトエッセイ。 元新聞記者の著者の、その場への距離感がなんだか生々しい。現場にある「花」に惹かれるっていうのはエロスとタナトスみたいなことなんだろうか。
2018/07/09
みーすけ
(借)登録画像には無いけれど、帯の写真が庭の隅の緑の中の赤いベゴニア。フォトエッセイかと思いきや、その帯に不似合いな単語「事件風景・殺害・監禁・放火」。事件現場を一歩下がった視点で見た画像と花のコントラストが怖い。
2010/12/26
鈴と空
2006年以前
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