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親愛なるキティーたちへ

親愛なるキティーたちへ

親愛なるキティーたちへ

作家
小林エリカ
出版社
リトル・モア
発売日
2011-06-13
ISBN
9784898153123
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親愛なるキティーたちへ / 感想・レビュー

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ぐうぐう

親愛なる……。小林エリカにとって、それは父であり、アンネ・フランクだった。アンネにとって、それは一冊の日記帳であった。親愛なるキティーへ。本書は、3冊の日記から成り立っている。アンネの、父の、そして小林エリカの。10歳で読んだ『アンネの日記』に感銘を受けたエリカは、31歳の時にアンネの軌跡を辿る旅に出る。アンネと同じ年に生まれた父が80歳を迎えた、それは年のことだった。父と同じように、80歳の誕生日を迎えたかもしれなかったアンネ、という想像。エリカの旅行鞄には3冊の日記帳が収められている。(つづく)

2020/05/04

ソフィ

小林エリカ3冊目。私自身もアンネの日記に強い影響を受け、アンネの家を訪ねアウシュヴィッツを訪れる旅をしたことがあるので情景を思い浮かべながら読んだ。3冊の日記を共鳴させあいながら、アンネの死へと話は進む。インドネシア独立時のオランダとアンボン人とベステルボルク収容所の関係、まるで知らなかった。ナレーションのように入る戦況が的を射ていて簡潔で、すばらしいと思う。

2023/07/01

ひとみ

子どもの頃から『アンネの日記』を愛読していた著者が、『アンネの日記』とアンネと同年生まれの父が戦中戦後に書いていた日記を持って、ベルゲンベルゼン収容所跡からフランクフルトへとアンネの生涯に関わった地を巡る旅の記録。アンネとホロコーストだけでなく、著者は過去や現在の戦争や紛争を結びつける。タイトルの「キティーたち」が誰を指すのか、日記の読み手のことなのかな。

2014/07/07

ハルト

車窓を流れる景色のように行きては過ぎていく記憶、歴史。アンネ・フランクの日記から、ドイツ、オランダとその足跡をたどりつつ、アンネと同年に生まれた著者の父の日記──日本での同じ時間を並べ語っていく。永遠に少女なままのアンネと、アンネの年齢を遠く過ぎ、少女ではなくなった著者と。そしてかつての少年だった父親と。かつての、それぞれにあった青春時代をふり返りながらの旅は、喪われた時間やなによりアンネに対する鎮魂のためのもののように思えました。映画を観たかのような読後感でした。

2011/07/30

浦和みかん

アンネ・フランクと主人公の父という同い年の二人が戦時中に書いていた日記をきっかけに、アンネの足跡をたどる旅をした旅行記。ときに二冊の日記と、主人公の記憶や、当時の世界情勢とも絡み合いながら進行していく。特別な事件は起きないけれど、主人公のなんとも言えない感情が引用によって引き立てられる。何の気なしに手に取ったけど、この時期に読めてよかった一冊。

2022/03/13

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