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押し入れの虫干し (真夜中BOOKS)

押し入れの虫干し (真夜中BOOKS)

押し入れの虫干し (真夜中BOOKS)

作家
高山なおみ
出版社
リトル・モア
発売日
2011-12-14
ISBN
9784898153253
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押し入れの虫干し (真夜中BOOKS) / 感想・レビュー

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野のこ

押し入れの暗くて少し息苦しい空間。奥にさ迷いながら幼少期のちょっぴり切ない記憶にふとたどりつく。そーっと取り出して丁寧に虫干しをして今のせいかつに繋がるイメージでした。でも一部衝撃的な出来事もあったけどそれもまた押入れにしまうの?鍋に火をつけ晩ごはんの準備をしながら回想するシーンなどは物語のようでした。「おせんべいがやけたかな」はやり方忘れちゃったけど、私もよく遊んで懐かしく思いました。

2017/07/30

bunboo

高山さんの書く文章が好きです。なんか郷愁を感じるので。今回は幼い頃の話をとても赤裸々に書かれていて、空気が重いというかちょっと圧倒された。でもその気怠さがよかった。

2016/11/28

リタ

想い出って、記憶のあちこちにやわらかなトゲのように刺さっているんじゃないかな。でもそれに気づかないふりをして、私たちは新しい日々を重ねてゆく。たぶんそのままにしておくと壊死してしまうから、たまに引き抜いてやって、光のもとにさらしてやることが必要なんだと思います。高山さんはまさにそうやって、想い出たちを「虫干し」してあげた。痛かったり、湿っていたり、淫靡だったり、満ち足りていたり。私たちはそんな高山さんの記憶から、自分自身のトゲに対する懐かしさも憶い出すことができます。セピア色の中の色とりどりの感情たちを。

2014/08/19

Mieru

強くてすごい粘度がある文章。押入れの中から出て来ただけあって内容が発酵してるみたいな濃厚さだ。散歩に行って図書館に寄って、家に帰って本を読み、夕方の空気を吸いながらごはんを作って…とか、そんな高山さんは見当たらない。書くのに苦労しただろうか。あとがきは、私の知ってる高山さんの感じで、なんだか少し安心。

2013/11/27

SNSN

高山さんがいう「押し入れにため込むばかりで、少しずつ膨らむ荷物」がまさに文章になってる。その文章は「どこかで自分の記憶にある出来事」を掘り起こす。でも直接的ではなく、例えば私はトトロで病院から電報が入る前のうすら怖い感じとか、参観会で親が来て嬉しいのに恥ずかしくてむず痒いかんじとか、そういうあいまいだった記憶のりんかくがはっきりしていくような文なのだ。

2012/07/09

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