百人一首という感情
百人一首という感情 / 感想・レビュー
佳音
多少なりとも構えてしまう和歌に、なんとしなやかに向きあうんだろう。この人は。
2019/01/07
がらくたどん
最果タヒと言う詩人に大変興味を持っている。現代詩の作品をホンの少しだけ読んでみたけれど、言葉への挑み方みたいなものに惹かれながらも難しくてどうしようと思っていた所に見つけた本。百人一首なら割となじみ深い。どんな言葉でどんな「感情」を見出すのだろうと思ったら、予想の上を行く展開。古歌の湛える感情とそれによって詩人の中で湧き上がる感情がリアルに交わりきれない淋しさを嘆かれるとは思わなかった。全力で千年の時を超え歌が生まれた時の感情と交信しようとする詩人に言葉を仲立ちにした深い交信は実は稀有な一瞬と知らされた。
2022/08/20
ピロ麻呂
「千年後の百人一首」は百人一首を最果タヒ風に詩でアレンジされていたけど、本作品はその詩訳した時の思いを綴ったエッセイ☆僕も百人一首好きで何冊も解説書を読みました。だいたい同じ訳され方だけど、実際に平安時代の歌人はどんなシチュエーションで、どんな気持ちで詠んだかは分からない。31文字のみで紡いだ言葉…人それぞれ違う感じ方、違う訳があっていいと思う。それが短歌のおもしろいところだと思うんやよなぁ(^^)
2019/02/27
千穂
平安の歌人はこんな想いでこの歌を詠んだのかもしれない、想像の世界が膨らむエッセイ的な百人一首の解説本。一句一句が作る短編集の装い。その時々に、気になる歌を楽しむのがよい。
2019/04/24
松島
月を眺め遠く離れた誰かを想い 四季の移ろいを山から知る 雨に袖が濡れれば生活の辛さすら垣間見え、 日常のありふれたものを短歌とした百人一首。 最果タヒさんの詩を通して解釈すると時間はちっぽけであり、人の感情ってこうも変わらないと愛おしくなる。 図書館で借りた本でしたが購入して手元に置いておこう。ふとした時、パラパラと眺め、もし自分なりの解釈に出会えたならば、これほど有意義な読書体験はないよね。
2019/05/28
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