カフェー小品集
カフェー小品集 / 感想・レビュー
あつひめ
セピア色を感じさせるカフェー。そう、最近流行りのカフェの明るい感じとは違った、昔懐かしいような雰囲気を感じさせるお店の雰囲気。その中で交わされる言葉。目を瞑ったら、その中に入り込んでしまいそうな錯覚を覚えながら読み進めた。初めて高校生の時に入った喫茶店。コーヒーとタバコの匂いの混ざったような大人の場所。あの時のドキドキ感を思い出しながら読んだ。愛する喜び、愛される喜び。それと同じだけ不安は付きまとう。もうそんな愛や恋に対する感情を失ってしまった自分を見つけてしまった気がする。
2017/03/24
カナン
実在するカフェーを舞台にした、映画のワンシーンのような短く印象的な小品集。京都フランソアの制服は確かに可憐。悲しみの数だけカフェーはある、という始まりから、ぱらぱらと降る小雨のように、ぽろぽろと奏でられるピアノのように静かに展開していく「君」と「僕」のカフェーの記憶。「あの世とこの世の遠距離恋愛だと思えば、この恋愛が微笑ましくさえ思えるのです」、「下手なりに一生懸命に手を抜かずに君を想い続けることは、贅沢なことなのですから。」というフレーズが好き。
2013/09/27
たいぱぱ
獄本野ばら君。僕は君を随分長い間、宝塚歌劇団好きの女性だと勘違いしていました。カフェよりカフェーという呼び方が相応しい退廃的で切ない小品満載の本書を読んでいて、何故君は男目線で書いてるのだろうと不思議に思い、調べてみたら君は男性ではないか!しかも<たけもと のばら>だったとは・・・。ずっと<ごくもと>と思っていたというのに。否、君に非はない。僕の勝手な思い込みだから。
2014/06/10
天竺牡丹
実在するカフェを題材にした短編を集めた作品。“こだわり”というのはお金も手間もかかるもの。このお話のどこまでがノンフィクションなのか気になります。
2012/12/06
玲
野ばらさんの「ねぇ、君。」が大好きなのです。乙女のようでありながら男子としての務めについての考えも持っている野ばらさんに、個人的に興味を覚えました。「貴方に面倒な女のコだと愛想を尽かされる前に、私は貴方の前から消えてしまいたい」小品集でも野ばらさんは引用したくなる作家さんだー。
2009/01/22
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