ゴールデン・ピープル
ゴールデン・ピープル / 感想・レビュー
ゆきのすけ
ギャリコがスポーツライターであったことは知っていたものの、作家になってからの作品しか読んだことがなかった。ギャリコの作品!と借りてみたものの、スポーツに疎い上に、ギャリコの時代の選手を書かれているので全く知らない人ばかりで、読み始めるまでずいぶんと時間がかかった。読み始めてびっくり。いつの間にか全く知らなかった人達に好意を抱き、ギャリコのように彼らを応援している自分がいた。「古風で美文すぎる」と書かれているだけあって、物語を読むかのように読めてしまう。
2011/03/31
kinka
この人の創作におけるインスピレーションの多くは、記者時代に見たものや会った人から来ているんだろうなと実感した。スポーツが夢であり、希望にもなった時代が眩しい。ただ、希望だけでない暗部もけっこうえぐい。ギャリコ自身も、その暗部の一端を担っていたんだろうけど、流石にその辺は口が重いか。しかし訳がひどい、高校生が英文和訳の授業でむりくりやらされたみたいだ。仮にも作家の肩書きを持つ人の仕事じゃねえよ。
2014/05/10
takeakisky
1965年出版。収録は元々13人分のうち8人のみで順番も異なる(外されたのはクヌートロックニー、ヘレンウィルス、ジョニーワイズミュラー、ベーブディドリクスン、レッドグレンジの5人。プリモカルネラは、38年のFarewell to Sportから)。20年代を焦点にスポーツのゴールデンピープルを振り返る。ギャリコを読む時に期待する熱っぽく、優しく、夢見るような眼差しは、ところどころ垣間見せるが、ときに歯切れが悪い。彼らを現代の読者の笑い者にしたくない気持ちが悪い方に出たか。後半二点はそんな煩悶と無関係で良。
2022/08/16
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