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京都うたものがたり

京都うたものがたり

京都うたものがたり

作家
水原紫苑
出版社
ウェッジ
発売日
2003-12-01
ISBN
9784900594708
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京都うたものがたり / 感想・レビュー

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ヴェネツィア

歌人の水原紫苑による京都紀行。いずれも、いにしえの歌人と、その人にまつわる謡曲をよすがとした11のテーマ性のある旅。和泉式部、小野小町にはじまり、最後は『源氏物語』の「宇治十帖」で幕を閉じる。古歌もゆかしいが、水原紫苑の歌もしっとりとした潤いを帯びている。そうしたスタイルの全体は馬場あき子のエッセイを思わせるもの。ただ、各篇前半の紀行及び謡曲への導入は古雅な趣きがあっていいのだが、シテ(西行はワキだが)が現れてからのくだりは幻想的というよりは、やや通俗的な感じがしないでもない。個性といえばそうなのか。

2014/01/25

双海(ふたみ)

歌人:水原紫苑による艶やかな幻想的紀行エッセイ。日本の古典芸能に造詣が深く、自らも謡曲・仕舞を稽古される水原氏。所々、能を引き、和歌を詠み、幻想的な文章を認める才能にはただ脱帽あるのみ。

2013/11/16

Juichi Oda

「関東者の」歌人の筆者にとって「京都は限りない魅力を持った、こわい土地だ」そうだ。そんな筆者が和歌や能を主題として、その舞台を訪ねるエッセイと物語のハイブリッド作品。最初に訪れるのは貴船。丑の刻参りで有名な貴船明神は彼女をやすやすとは受け入れてくれないが、そこで和泉式部と出会う・・・という伝奇的なお話。大原野では在原業平と二条の后に二人の伝説の真実を聞かされる。嵯峨の時雨亭では藤原定家に会って、式子内親王との関係をズケズケ尋ねたり、などなど興味深い古典文学の謎解きが展開される。巻末のガイドも読み応えアリ。

2020/01/22

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