パレスチナ
パレスチナ / 感想・レビュー
たまきら
新刊コーナーから。このコミック、ずいぶん前にアメリカかフランスで英語で読んだ気がして手に取りました。うん、原著は2001年出版です。あれから状況は悪化する一方で、シリアやウクライナへと人々の意識が移っていく中忘れられた土地になりつつある気がするパレスチナ。混乱する当時の日常が紙面からそのまま伝わってきます。読みにくく、救いがなく、分裂と暴力とあきらめの日々。貧しく影響力のない人たちの側に立ち、彼らの苦しみを描写し続けている作者を尊敬します。
2023/04/24
Maiラピ
「コミック・ジャーナリスト」のジョー・サッコが1991~92年にイスラエルの占領地区に滞在しパレスチナ人を直に取材して、描かれたマンガ。週刊ブックレビューで漫画家の小林エリカさんの紹介本。何度も挫折しそうになりながら読了。何か出来るわけではないけど、同じ地球に住む人として、この惑星で起こってることについて知ることや考えることは必要だと思う。『そう僕らはみんな平和を望んでいる。それがなんであろうとね。でも平和もまた違ったことを意味している。平和を想像したい人たちが同じイメージをもってるわけじゃない』
2011/10/09
内島菫
サイードの序文はサイードだからという価値はあるが、当たり前だけれど「オリエンタリズム」の方が面白い。ジョー・サッコ自身が絵を描く訓練を全く受けていなかったと述べているが、やはりそうした人の描く絵は独特のアクがあって面白い。斜線で埋め尽くされ、一つ一つの物や人物、風景の形(ナレーションが中に書かれているたくさんの長方形も含む)も丁寧なモザイクのように描かれ、その語り口同様どこか淡々とした作品の進行に、見上げたり見下ろしたりという仰俯角を適宜取り入れてアクセントをつけている。これも著者自身が触れているが、
2024/05/14
こうすけ
ルポルタージュ・コミックの代表作。 漫画として面白いというより、世界にはこういう現実があるということを教えてくれる。あくまで第三者・聞き手としての視点を貫こうとしているところが押し付けがましくなくて良い。 これを読んでから関心を持ち、イスラエル・パレスチナに旅行に行った。それぐらい求心力がある作品。
チエコ
エドワード・サイードが序文。パレスチナやエルサレムの情景が目に浮かぶように描かれていた。
2016/10/09
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