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坂口安吾論

坂口安吾論

坂口安吾論

作家
柄谷行人
出版社
インスクリプト
発売日
2017-10-14
ISBN
9784900997677
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坂口安吾論 / 感想・レビュー

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さらば火野正平・寺

坂口安吾を好きな柄谷行人が安吾を褒める本を安吾好きな私が読むというハッピーな予定調和である。興味のある回の『アメトーーク』みたいなもので、楽しいに決まっているのである。フロイトやらマルクスやら柳田國男やらを援用して安吾を褒める柄谷さん。無学な私も多少の違和感を感じる点がなきにしもあらずだが、人間、悪口も面白いが、好きなものを熱心に讃える方がより面白いものである。安吾は孤高の人ではなく、和して同ぜずといった感じの人であり、主流から外れても平然たる目茶苦茶腕力のあるドン・キホーテみたいな人である。いいね。

2019/10/16

シッダ@涅槃

【未読部分あり】ホウボウで書いた安吾論の寄せ集めなので、読み切るという感じにはならない。けど刺激的だった。優れた作家は批評を豊かにする、と改めて思った。大昔に買った新潮文庫『堕落論』掘り起こしました。

2018/03/17

テツ

柄谷行人による坂口安吾ファン会報誌(違う) 三島由紀夫による安吾評に「坂口安吾は、何もかも洞察してゐた。底の底まで見透かしてゐたから、明るくて、決してメソメソせず、生活は生活で、立派に狂的だつた」とあるけれど、こうしてなんとなく未来に悲観し暗くなりがちな今の社会だからこそ、この瞬間だけを見つめて無頼に生きる安吾のようなメンタリティが必要なんじゃないかと思う。暗くどんよりとした気分に沈んできもちよくなるのはただのオナニーだよな。それは洞察からの思考という流れからかけ離れている。

2021/04/30

yamahiko

自身の必要からくる、それ自体が倫理的であるような「美意識」を時代に流されることなく価値基準として持ち続けた安吾という存在。柄谷氏の視点で再読してみようと感じた。

2018/01/10

しんすけ

坂口安吾を論じるに忘れてならないのは堕落論中の下記だと、ぼくは思う。/それは天皇家に限るものではない。代り得るものならば、孔子家でも釈迦家でもレーニン家でも構わなかった。ただ代り得なかっただけである。/ 安吾は天皇制について否定的な考え方をしていた人物である。しかし上記では、その安吾さえ天皇制が無くなるなどとは考えていなかったことが示されている。日本人から天皇制を奪えば、(心根の)支柱を無くしたも同然となるの違いない。

2018/07/04

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