ミケと寝損とスパゲティ童貞: サクラの国の日本語学校
ミケと寝損とスパゲティ童貞: サクラの国の日本語学校 / 感想・レビュー
ただぞぅ
ノンフィクションライターに転身する前、10年間日本語教師を務めた著者。異色のキャリアで身に付いた経験が血となり肉となっている。国籍、文化、在日期間もバラバラ。そんな日本語学校で出会った個性豊かな外国人達との笑いあり涙ありの思い出エッセイ集。エピソードに合わせたユーモアたっぷりの四コマ漫画も話に花を咲かせている。日本語学校で学ぶ問題も載せられており、問題自体は母国語のため簡単だが文法的に眺めると複雑であることに気づく。そして解説しようものならなお難しい(苦笑)。日本語はつくづく複雑で難しい言語だ。
2024/04/20
たらお
図書館本。「紙つなげ!」「エンジェルフライト」の著者。日本語学校を務めていた頃のおかしな話といったコンセプトは、「日本人の知らない日本語」のまんまだ、と思ったが、刊行はこっちが先。なるほどと思ったのが、英語には「がんばれ」に当たる使い勝手のいい英語がないとのこと。「がんばれ」には「Cheer up!」,「Good luck」,そして「I'm on your side(あなたの味方だよ)」とも解釈できるという。そういう意味で使っていることもあるよなぁと外国人の感性に感心すると共に日本語の奥深さも感じた。
2015/07/20
れじーな
「紙、つなげ」の人だ、と思って借りたのですが(でも、「紙~」もまだ読んでいないのですが)、想像とは裏切られる一冊でとても面白かったです。著者が日本語教師だった頃のあれこれなんですが、最初の頃はただ笑える話が多かったけれど、次第に生徒さんの過去に思いを馳せては切なくなる話が増えていって、考えさせられる部分もあります。山手線に乗って故郷を思う話とか。「日本人の知らない日本語」を文章のみで描くとこんな感じかな、と言った内容なんですが、こちらの方が刊行が先なんですね。漫画の威力は凄いな、と変な風に感心します。
2015/02/16
lovekoja
読めば読むほど、佐々涼子さんが好きになる。どうしよう...新刊出ないかな、サイン会ないかな、と考えはじめて早半年以上。佐々さんにお会いするのが夢だったりする。人に対するあたたかなまなざしが随所に感じられた。私はこういう優しい人に弱い。「孤独を嘆く人がいたとしても、その嘆きの言葉は、いつか誰かに手渡されたものである。そのことを考えたとき、誰もほんとうに孤独な人間なんていないのではないかと思う。どこかで出会った誰かがたしかにその人を支えているのだ」
2016/05/24
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