かくれ里紀行
かくれ里紀行 / 感想・レビュー
kinta
隠れ里のドラマ挿入を描いてあることで、時空を超えて今と昔を行ったり来たり。隠れ里となった意義と現在の関係値を繋いでいる。読者が行きたくなる情報が記載されていないので、「行きたい場合は自力で」方式なのだが、それもまた、隠れている感覚を助長している。ただ、この作家は戦前生まれ。そうか、戦前の教育が見えぬところに見え隠れ。本人は無意識だとは思うけど、だからこその隠れ認識。この著者の3歳上の司馬史観の当時の常識を斜めにみた凄さを改めて感じた皮肉な一冊となった。
2021/05/22
感想・レビューをもっと見る