オウム-なぜ宗教はテロリズムを生んだのか-
オウム-なぜ宗教はテロリズムを生んだのか- / 感想・レビュー
踊る猫
力作ではある。情報は冷淡になり過ぎることなくスマートに整理されているし、論点も明快。読んでいて面白かった。なのでなにか物足りないと感じてしまうのは、結局著者が麻原彰晃の中にある虚無に太刀打ちできていないことかとも思う。だが、まともに麻原の狂気に立ち向かったら呑み込まれる恐ろしさもあるので、著者が過剰なバッシングに遭っても事態を整理して中立的立場から提示したように麻原を過度に(ヒステリックに、と言ってもいい)敵認定しないのはそれはそれで真っ当な態度だとも思う。この事件は終わった話ではないのだな、と再認識した
2020/03/24
あっきー
✴4 救世主である輪転聖王を企む教祖が祭政一致の官僚組織を作り神聖政治を行い、幹部による忖託と何でもありの暴走を許した結果、フリーメイソン=ユダヤ人による最終戦争の陰謀であり、封鎖兵糧攻めのサリン工場の家宅捜索を阻止し、終末論的な状況を突破するためにサリンによる先制攻撃を行った(らしい)、平成中にどうしても決着をつけたかったみたいな大きな区切りが先日あったので初めて事件関連の、特に宗教面に詳しい本を選んで読んだ
2018/12/25
富士さん
再読。自分が修行をしたら他人の心も救えるという傲慢極まる考えには嫌悪感しか抱けないので、本書の指摘する、人に認められたいという煩悩でしかない動機なら、事件にはそれ見たことかという感慨しか抱けません。著者の週刊誌の煽り記事みたいな現代社会観には鼻じらみましたが、しかし、オウムの真面目さ、まっとうさについての考察はとても興味深く読みました。我々が彼らのような陥穽に陥らないのは、彼らよりも善良であるからではなく、無能で、怠惰で、不誠実であったからであって、誇るべきはその程度なのだと知るべきではないかと思います。
2015/05/07
HIDE
事件がどのような経緯で起こり、その社会的な位置づけについて書かれています。この事件について知るには良い本でした。
2015/11/06
リール
1
2012/08/01
感想・レビューをもっと見る