詩についての小さなスケッチ (五柳叢書 101)
詩についての小さなスケッチ (五柳叢書 101) / 感想・レビュー
きゅー
大岡信、谷川俊太郎、あるいはトランストロンメル、タブッキといった内外の詩人に関するエッセイが収録されている。私もこよなく愛する詩人について書かれた文章を目にすれば、そこには懐かしい詩の一片と、それに対する新たな視座が与えられ、小池というフィルターを通すことによって得られる喜びは大きい。なかでも茨木のり子についてのエッセイは分量も多く、彼女の生涯を幾つかの詩でもって俯瞰するかのようで素晴らしい。小池が立つのは安定した地面の上だ。雲のように漂ったり、いたづらに言葉を弄んだりもしない。凛とした気配が心地よい。
2015/05/20
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