牛丼屋にて: 団鬼六自薦エッセイ集
牛丼屋にて: 団鬼六自薦エッセイ集 / 感想・レビュー
アーちゃん
図書館本。「お~い、丼」に表題作が掲載され、文章の巧さと面白さで借りました。春・夏・秋・冬と四季の章立てとなっており、表題作は夏の章のトップを飾るのですが、「お~い…」の掲載が実は抜粋で、続きにある棋士の事件について書いてあった事(序文にも記載されています)がわかり驚きました。またどのエッセイも1本の短篇のように面白く、読み続けて秋の章になり、改めて著者の肩書と専門分野に気づいた次第です(苦笑)秋の章全11編のうち4編が専門分野系ですが、まあさらっと流し読み程度で。ラストの冬の章は「駒くじ」1本のみ。
2017/07/30
ポテンヒット
団鬼六先生の(先生と呼ばせていただきます)文章を初めて読んだけど、とても良かった。中学生の時の米軍捕虜との交流や友人の頓死、飲み屋を経営していた時に出会ったくず屋さんの話など、様々な経験と驚きのエピソードから懐の深さと先生が重きを置く情趣を感じられる。将棋を題材にした話は詳しくなくても楽しめる上、フグの毒、拳銃、先生の専門分野と刺激強めの話まであり非常にバラエティに富んだエッセイ集となっている。以前、芦田愛菜ちゃんが藤井八冠にイヤミスの本を薦めていたが、私は本書をお薦めしたいと思います。
2023/11/13
マカロニ マカロン
個人の感想です:B。著者は2011年に亡くなった官能小説家の大家。相場師、ピンク映画のプロダクション経営、SM雑誌の創刊、趣味の将棋が高じて将棋雑誌の経営を引き継いだりと多彩な経歴を持つが、周囲の反社会的組織の構成員や友達の負債などで波乱万丈の人生を送っている。そんな経験を重ねて書かれたエッセイだけに味わい深いものがある。SM小説作家としての秘め事の話など昭和のピンク映画館の臭いが漂うようなエッセイも多いが、戦争中の困窮生活や捕虜のオーストラリア兵との将棋を通じた交流が無残な結末を迎える話はほろ苦い味だ。
2017/08/18
koishikawa85
図書館の本。前半は別の文庫で読んだものが多かったが、やはり面白い。最後の駒くじは読んだはずだが忘れていた。
2018/12/30
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