山の仲間たち
山の仲間たち / 感想・レビュー
HANA
「アルプ」掲載の文章群のアンソロジー続編。寄稿者も詩人や哲学者、画家や写真家と様々。内容も詩あり童話あり紀行文ありと様々なものが含まれているが、山に対する愛はどれもこれも共通している。読んでいると自然と早春の芽吹きや晩秋の峰渡る風に思いを馳せたくなるような。個人的に一番面白く読めたのは山や山村の風物、次いで山行の紀行文だが、詩や童話を読んでいても山に惹かれる自分を見出している。前作を読んで久々に山を歩きたくなって色々と調べてみたものの、結局未だ実行に移せずにいる。今度こそは是非とも実現したいものである。
2015/05/28
ターさん
あの『アルプ』からの池内氏が厳選した文章達。人は山に対して様々な思いを持っている。ただ単に登って降るのではない。そのことを思い出させてくれる「渓流がささやいていた。シダの匂い、岩の匂い、風の匂いがした。足が歩きたがっていた。稜線が眩しい。振り返ると山小屋のやつめ、小窓をあけて、霧のパイプを吹かしていた」山が山であった時代を感じる。以前、安曇野山岳美術館で「大谷一良展」を観た。『アルプ』を語る上で重要な版画家である。どうしたらあの時代を取り戻すことができるのだろうか。感性だけでは説明できない山の世界がある。
2021/04/04
yamakujira
上田哲農、尾崎喜八、串田孫一をはじめ、登山家、学者、詩人、画家、写真家などが残した32編のアンソロジー。とってもお得感があるような、ちょっと期待はずれのような。でも、山の文章はそれだけで愉快だ。 (★★★★☆)
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