けむりの居場所
けむりの居場所 / 感想・レビュー
空猫
煙草にまつわるエッセイ集。愛煙家、というかヘビースモーカー、いやニコチン中毒と言っていいような方達の作品なので戦争を経験したような世代の、今やほぼ故人ばかり。紫煙を燻らすその仕草…昭和の映画やドラマの名シーンを生み出しました。真の大人にだけ許されたそのカッコ良さに憧れたものです。今や喫煙者は肩身の狭い思いで絶滅危惧とも…火をもてあそぶことは文明の始まり…その煙草を思いのままくゆらすことは文明の証し…この本は、煙草に捧げるオマージュである(p4)自分は嫌煙家ですが煙草は大人の余裕なのでしょうね。
2017/10/07
デビっちん
煙に纏る著名人のエッセイ集でした。開高健や藤沢周平、遠藤周作、仰木彬、赤塚不二夫氏など、愛煙家が中心となって、自身の体験や哲学が展開されています。戦時中後や幼少時の描写や思惑も明瞭で、煙にはその当時の状況が色濃く結びついているようでした。また、タバコは物質的なモノではなく精神的なモノであるんですね。体調が悪ければ不味く、心に余裕があれば美味しく感じるようでしたから。合理的に考え、タバコはムダのように感じていましたが、その無駄が実は大切な楽しみなのかもしれません。
2017/07/24
ぶんぶん
【図書館】これは感慨深い一冊でした。 煙草に関する想い出を33人の作家や著名人が語るエッセイです。 野坂昭如、開高健、市川崑、藤沢周平、遠藤周作、仰木彬、高峰秀子、赤塚不二夫などタバコまつわる数奇な運命を語る。なかで喫煙者で無い、杉浦日向子や佐藤愛子が執筆しているのが、ご愛敬です。 JT協賛、「週刊文春」連載 「喫煙室 くつろぎの時間」より
2015/10/11
よしひろ
煙草があるだけで、どこか様になる。それが、文学であっても映画であってもどこか絵になるところが、煙草の魅力だ。
2016/03/05
nonpono
若い時、週刊文春を愛読していた。「喫煙室」という、著名人が煙草について語るエッセイが楽しみだった。この本はその連載をアンソロジーとしてまとめたもの。編者の野坂昭如は、「煙草はまさに人間の営みそのもの。喜怒哀楽。それぞれに煙草がつきまとう。行間から立ちのぼる紫煙を追えば、これぞ至福の時。煙草は素晴らしい。」やはり、読後は自分の好きな煙草をくゆらせたくなる一冊。
2023/05/01
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