クィア批評
クィア批評 / 感想・レビュー
ヒナコ
2004年出版のクィア批評集。レズビアンが病理化されたからこそ、ボストンマリッジのような女性間の関係が文学の主題になり得たという渡辺和子の遺稿や、谷崎文学におけるホモソーシャリティとその瓦解の可能性—ビジネスライクな男女関係(男が女とのプレイを金で買う関係)を支える、男同士の親密さを基盤とする信用取引関係が、結局、金の借り手が欲望を制御できないことによって、男同士の関係を破綻させてしまうような谷崎的なパラドクス—を論じた金子明雄の論文などは面白かった。 (続く)
2019/08/19
感想・レビューをもっと見る