北の想像力 《北海道文学》と《北海道SF》をめぐる思索の旅
北の想像力 《北海道文学》と《北海道SF》をめぐる思索の旅 / 感想・レビュー
スターライト
編者がミク友であることと、本書中にイスカーチェリ同人・三浦祐嗣氏による「北海道SFファンダム史序論」が収録されていることを知り、着手。編者の狙いは、「≪北海道文学≫再生のために、SFという視点を導入する」(同書序論より)という言葉通り、本書には北海道にまつわる小説・詩・評論はもとより、映画・マンガなども視野に入れた巨大な論集となっている。商業誌だけでなく、自費出版や大学の紀要などにも目配りした各論は圧巻。表現者によって、北海道が様々な位置づけがなされていることがわかり、大変参考になった。必読。
2014/10/10
ハチアカデミー
近代日本において「「内地」によって「発見」された場所」であり続けた北海道。そのまなざしの表象である文学作品、映像作品などを論じつくす。「アイヌ」から土地を収奪し植民政策によって大量の人びとが流れ込み都市開発を行う。結果としてその地は、様々なまなざしの可能性を持った場所となる。その地を描いた作品の考察から、そのトポスが持つ風土、問題点、その可能性を探る。全編読み応え十分だが、巻末の100頁を超えるブックリストはもはや事典。それでもなお「論じ足りない!」という思いが滲み出ているのだからその熱意たるや凄い。
2016/01/26
葉
北海道文学と北海道SFについて、著者20人程度が意見を述べている。北海道という北の必然性と時間感覚、自然の摂理、風景を独特に書き下ろすことや、戦後の状態を事細かに政治や経済と織り交ぜて書くことが前半で書かれている。後半はSFについて回廊や意識、テクノロジー、文明やアイヌをテーマに書かれている。
2015/06/09
感想・レビューをもっと見る