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しろ

しろ

しろ

作家
阿部はまじ
平澤まりこ
出版社
millebooks
発売日
2016-04-21
ISBN
9784902744811
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しろ / 感想・レビュー

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かりさ

あまりにも無垢で美しい物語に鳥肌が立ちました。そして読み終えて心に静かに浮かぶしろへの思いが溢れて涙しました。しずかな物語です。けれども心の波紋は静まるどころか大きくさざなみます。私は私が一番。何にも染まらないしずっとこれでいいの。でもね、このままでいいのかな。このままではいけないのかな。あの人が羨ましい、ちょっとあの人になってみたいな。そんな気持ち誰しも持ったことあるはず。とてもシンプルな世界だけど、読み終えてなおこの物語が心の奥底に留まり続ける。そして時々取り出して光にかざして見る。そんな絵本。素敵。

2016/08/31

momogaga

【おとなこそ絵本】読みながら「輪廻転生」という言葉が浮かんできた。さまざまな解釈をしたくなるお話でした。

2020/09/21

アキ

しろがいろいろなかたちにかわり、くもになり、とりになり、ちょうになり、りんごになった。いろんなさそいをことわってきたけど、「このままではいけないのかな」とふと迷う。くろい犬にほだされてくろい犬になってみたが、楽しくない。かたちをかえることはもうできなかった。最後に黒い犬は白い雪を食べ、しろはまたしろになった。途中で逡巡し黒くなったのがよかったのかな?それが出会いってこと?最後しろに戻ってしろはしあわせだったんだろうか?なんにも描かれてないまっしろな場面だけが最後に残される。自分の人生を振り返りたくなる。

2018/12/24

ぐうぐう

色が付くことを拒否し続けるしろ。空の青にも、葉っぱの緑にも、蝶の黄にも、優しくされ、心地良さを感じつつも、しろは白でいることを貫く。なのに、黒い犬のくろの「くろになってみるかい」という誘いには素直に従う。まるで真逆の黒に、なぜかしろは惹かれるのだ。その理由のなさに、ドキリとさせられる。この物語は、小説でもなく、映画でもなく、絵本でなければならない。最後のページがもたらす感動は、絵本でなければ不可能な、じわじわと深く胸に染みる、唯一のものだ。

2016/09/16

かおりん

かわいいだけじゃなく、静かな世界が広がっている。まさに大人向けの絵本。「このままではいけないのかな」そこからしろはかわろうとする。まさか、食べられてくろい犬になるとは!くろになったしろは何だかさみしく見える。平澤まりこさんの銅版画がとにかく素敵。この文章にこの画がないと出来上がらなかったと思う。「しろ」と「くろ」のことという解説も良かった。本当の自分とは?と考えさせられた。

2019/02/02

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