口紅水仙 (シリーズ星座の女)
口紅水仙 (シリーズ星座の女) / 感想・レビュー
ヒロミ
星座の女シリーズのトリを飾る本書。中でもモントリオール国際漫画賞の一位となった「口紅水仙」がすごい。濃厚に立ちのぼる男女の情念。よくぞ復刻してくださった!と出版社を拝みたいくらい。牧先生の描かれる女性の妖艶さにはクラクラします。レディースコミックに入りますが、女性向けの劇画といった趣きです。構成力など卓越しています。
2015/02/25
龍國竣/リュウゴク
星座占いを軸にした短編集。表題作はモントリオール国際漫画賞を受賞している。70年代、「女性自身」に掲載された本シリーズでは、主人公の職業が、団地の妻、ガソリンスタンドの店員、ホステスと身近なものに設定されている。唯一時代物の表題作では令嬢となる。
2014/01/20
ハルト
まさに女の「情念」の物語。「星座シリーズ」と銘打つとおり、12の星座(とその特徴)を持つ女性たちが主人公。蟹座のように家庭を守るためゆえ身を挺する女性。牡羊座のおっちょこちょいででも愛嬌ある女性のかん違いで気づく恋。双子座の、同性同士の濃く深い愛の鎖を断ち切る話。そして表題作の魚座の女性の、どこまでも男性を引きつけ惑わし、流されるまま「女」として生きる話。乳兄弟の車夫の、一途に思い続けた女性への思いが切ない。女の情念のどうしようもない美しさがある。浴衣に蛍を入れる描写が最高になまめかしい。
2009/08/01
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