一握の砂
一握の砂 / 感想・レビュー
彼岸花
天才と呼ばれながら、わずか26歳の若さでこの世を去った啄木。私は、彼の短歌の「わかりやすさ」に、とても親近感を覚えます。それは、誰も成し遂げたことがない特色で、同時代の歌人と比較すれば明らかです。生涯が貧困だった故、歌の色彩も同じて暗く、望郷は、誰もが離れて感じる回顧のテーマです。借金を重ねてまで芸者遊びは現実逃避でしょうか?最後の、息子に先立たれた惜別の歌は、親としての人間啄木の真の姿を感じました。長生きしていたら、宮沢賢治のように、小説も書き溜めたことでしょう。青春真っ只中に、消えし愛しき君かな。
2019/04/08
koko
一握の砂というタイトルは聞いたことがあった。しかし、手にとってみたことはおろか内容について何一つ知らなかったので読んでみることにした。 浅学で恥ずかしい話ではあるが、小説だと思って本を開いてみたら短歌だったのでびっくりした。 古典の授業ぶりに触れる表現などに苦戦しつつも読み進めていくと(もっとも諦めてすっ飛ばした部分もままあるが)、その時代にの暮らしや啄木自身の気持ちが思い浮かべられた。軍国主義時代の日本の息苦しさと、その中にある牧歌的な雰囲気を感じた。 しかし私にはまだこの本は早すぎたようだ。
2019/10/07
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