小松左京全集完全版 (46)
小松左京全集完全版 (46) / 感想・レビュー
ぐうぐう
毎日新聞紙上で『大震災’95』の連載がスタートするのは、阪神・淡路大震災発生から75日が経ったときだった。遡ること22年前、海底の地殻変動により日本を海の底へと沈めた小説を書いたSF作家として、あるいは関西在住で震災を体験した小説家として、世間が小松左京に求めたのは、この未曾有の震災を検証してほしい、ということだった。小松は、その要望に応える。ただ、連載第一回目の中で、こう釘をさすことを小松は忘れなかった。被災者のみならなず、すべての人々が当事者である、と。(つづく)
2018/09/18
∃.狂茶党
この本は間違いなく小松左京の集大成である。 ここで語られる小松左京のメッセージは。すべての人が胸に刻むべきものだろう。たとえ地震が起きなくても、あらゆる災害に本書は役立つ。 私は日頃役に立つ書物、教訓を得る読書というものを、卑しいと思っているのですが、悪政と災害に覆われたこの国で、広く読まれることを願う。
2020/03/13
がんぞ
「誰かを責めるよりも、次の地震に備えよう」井戸知事についても「自身の状況で、全体を判断した」とゆるく弁護しているが、自衛隊が「待機していたのに出動要請がなかった」「ヘリコプター消防が有効なのは前例がある」村山首相の≪空白の12時間≫は言うに及ばず。/大正関東大地震以来の都市直下型地震。『日本沈没』が出版されて22年になるが、小松左京には取材が殺到した。ことに高速道路の高架が軒並み倒れる場面を、救助の軸となって働くのは自衛隊であることなど小説が先取りしていた。極限状況で自己充足的に動ける組織は軍隊以外にない
2016/12/31
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