シェフを「つづける」ということ
シェフを「つづける」ということ / 感想・レビュー
ぶんこ
シェフを目指す者の多くがイタリア、スペインに修行に出た時期があり、その人たちの10年後までを追ったインタビューを基にした本。何故10年後なのか?それは飲食店を開業して10年後に残っているお店は1割という事実でした。これが一番驚いた事です。この事実を知ったのは本の2/3まで読み進めたあたりで、実はそこにいくまでに何度も読むのをやめようかと思っていました。一人ひとりの努力の過程は素晴らしいのですが、あまりに続くと「もういいか」の気持ちになって。でも読めなかったシェフに対して失礼かなと思い直して読了。よかった。
2018/08/07
tosca
シェフになることを夢見てイタリアに渡った若者たち、2003年に取材した15人は10年後どうなったのかというノンフィクションだが、2015年刊行なので、コロナでまた状況も変わっている事だろう。2000年代前半のイタリアは「厨房のドアを開ければ日本人料理人がうじゃうじゃいる」というほど、イタリアで修業している若者が沢山いたのだそうだ。現在もシェフとしてやっていけているのは本当に一握りの人々なのだろう。料理人としての能力が高くても経営や人間関係など、色々な事を求められるし、お店を持つって本当に大変なのだなぁ。
2022/11/17
ふろんた2.0
2000年初頭は、料理を学ぶためにイタリアに渡ることがブームになっていた。そこで修行した人たちの10年後を追う。飲食業は毎年3割ずつ閉店となってしまう厳しい業界。彼らの一番の原動力は「続ける」ということ。得意なこと好きなことであっても10年続けるというのはなかなかできるものではない。ただひたむきに仕事をするのである。
2015/06/08
小太郎
この本は帯に書かれた「僕にとって2015年のベスト・ノンフィクションです」という言葉に惹かれて読みました。書いた人が幅允考さん。「幅書店の88冊 あとは血となれ肉となれ」を読んでから面白本を見つける才能は買ってました。彼がそれほど言うならと手に取りました。井川直子さんが15人のイタリアで修業したシェフの10年後を追いかけるノンフィクションでした。時代はちょうどリーマンショックでイタリア料理バブルが弾けた時。シェフと言う個性の強い人達の生き様は多種多様でとても興味深かったです。噂のミシマ社の本ですが流石!
2018/10/27
Salsaru
あの世界で続けることは、色んな意味ですごい。私は、逃げた。体力も精神もお金ももたなくて。職人だからある程度の労働環境は目をつぶるとしても、メンタルがもたなかった。すきですきでたまらない人が続けているのはうれしい。
2015/04/07
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