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うしろめたさの人類学

うしろめたさの人類学

うしろめたさの人類学

作家
松村圭一郎
出版社
ミシマ社
発売日
2017-09-16
ISBN
9784903908984
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うしろめたさの人類学 / 感想・レビュー

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けんとまん1007

当たり前と思われていること、思ってしまっていること。果たして、そうなのだろうか?という問いかけがある。この国は、あらゆるリスク、繋がりを覆い隠そうとして、かなりの部分を他人任せにしてしまっている。自分で何かやろうとすると、意外なくらいできないことが多い。そんな在り様を、少しずらして切り取って考えてみる。そこにあるのが、格差・違いであり、そこからくる「うしろめたさ」だ。それが、次のアクションのスタートになりうる。成程と納得する一方、ずらして観るということが難しい。しかし、大きな可能性を感じる。

2020/05/27

どんぐり

構築人類学を提唱する著者のエチオピアのフィールドワーク。20年近く関わってきたエチオピアの人びとの「ずれ」や「違和感」を手がかりにどうやって社会を構築しているのか、どうしたらその社会を構築し直せるのかという問いから、「商品交換(市場)/贈与(社会)/再分配(国家)の境界を揺るがし、越境を促す」思考の探求は、多様性とイノベーションの話と、なんか似ているな。

2018/01/20

future4227

2019年中学入試において開成、早稲田実業、海城、豊島岡女子など最上位校で出題された注目の本。世界最貧国と言われるエチオピアの人々の暮らしや国民性から学ぶ人類学。道には物乞いする人で満ち溢れているが、恵む人も多いエチオピア人。一方で物乞いを見なかったことにする金持ちの外国人。この差は何か?人は圧倒的な不公平を目の前に突きつけられると、うしろめたさを感じる。そして何かしなければという思いから贈与をする。つまり、うしろめたさという自責の念が倫理観を高めていくと筆者は言う。贈り物って予想以上に大切だと思った。

2019/08/08

白玉あずき

これはすごい。4,500ページの専門書を数冊読むより、この薄い一冊で簡単に人類学の新しい成果の要点を掴むことができるし、なにより門外漢にもわかりやすくて助かる。ブローデルの引用「資本主義こそが反ー市場である」に一番の衝撃を受けた。前世紀の資本主義vs共産主義という、凝り固まった世界の分類・フレームを小気味よく壊してくれて、なんだか目が開いたというかすっきりしたわ。国家の役割を相対化して考える足場をくれて有難う。我々はどうしたら社会と世界の構築に参加できるのか、批判だけでなく方向性を示しているのがすごくいい

2018/06/24

とある内科医

国語の問題文だったか何かで以前に引用を目にしたことがあった本。人類学をタイトルに冠する本を探す中で再会し、図書館から。「エチオピアに行ったら、日本の、世界の、社会のみかたが変わった」とコピー風にまずは整理した。違う世界・社会に触れることで、自分の世界・社会との差異が際立ち、当たり前が当たり前でなくなる。そのことに気付いた後、自分の行動をどう変えるべきか…そこまでは思いが至らないが、まずは自分を取り巻く環境がいつもと違って見えてくるという感覚を得た。フィールドワークが何をもたらすか、何となく体感したような。

2022/02/18

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