写訳 春と修羅
写訳 春と修羅 / 感想・レビュー
mocha
写真家・齋藤陽道氏は耳が不自由な方だ。そう知って見るからか、彼の写真には音が感じられる。宮沢賢治の詩とは無関係の風景や動物が写されていても、そこにある音が詩と共鳴しているように感じられてならない。滲んだり潰れたりした文字は、昔の「活字」を使っているのかな。アートワークとしてもとても好きな本。文字だけで読むより、格段に世界がふくらむと思う。
2017/01/27
おくりゆう
宮沢賢治氏の詩を写真で翻訳する、という試みですが、個人的にはその世界観には通ずるものがあるような気がして、詩を読むだけ以上にのめり込めたように思います。また読み返したいし、見返したいです。
2016/07/11
びぃごろ
宮沢賢治の「序/春と修羅/告別/眼にて云ふ」の4編の詩を写真家の齋藤陽道さんが写真で翻案した。とても美しい作りの本。詩だけでは手に取っていなかったと思うのでこの試みは大変嬉しい。
2015/08/03
mukimi
NHKのブレイクスルーという番組で斎藤氏のことを知って、その優しげで寂しげなけれども同時に強い感性に出会い、彼に惹かれると同時に優しい気持ちになった。本のはしからはしまで静謐な世界がしんしんと広がっている。聴覚をもたない写真家が写しとった世界の深みが胸に音もなく染み込んでくる。宮沢賢治の詩が静かに並んで流れてくる。動物や植物の抱えもつ沈黙の声をわずかでも自分の中にとりもどしたい、というのが写真を始めた初期の衝動というのはわかる気がする。他の写真集もぜひみたい。
2015/06/17
Hiromix
青い写真が賢治の春と修羅に合ってて綺麗。なんだか物悲しい。
2015/08/12
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