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あたしとあなた

あたしとあなた

あたしとあなた

作家
谷川俊太郎
AD:名久井 直子
出版社
ナナロク社
発売日
2015-06-24
ISBN
9784904292594
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あたしとあなた / 感想・レビュー

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pino

丹念に作られた宝箱のような詩集。ページを繰るたびに、縁取られてゆく、あたしとあなたの世界。あたしの他は、皆、あなた。あなただらけ。あたしだって、いっぱいいる。青空にも水たまりにも余白にも。あたしとあなたは、年寄りなのか若いのか、死んでるのか生きてるのか。読んでる私も、昨日は泣いて今日はケラケラ笑ってる。いつの間にか谷川さんの言葉の欠片が私の一部になっている。小さい頃、あたしとは何だろうと考え始め、答えが出ずにもどかしくて、ひざ小僧を噛んだときの味を、ふと、思い出した。私が死んでも、本棚に残って欲しい一冊。

2018/05/17

masa@レビューお休み中

表紙の手触り、手放すことなど想定していない装丁。装丁の渋い色合いとは異なり、頁をめくると、そこには青の世界が広がる。美しい、美しい薄青色の紙。秋空の透明な青を思い浮かべる。かと思うと、暑さを過ぎた海の青さにも近いと思ってしまう。本をを包むように、言葉を光らすように、さりげなく、でも威厳に満ちて存在する本なのだ。あたしとあなたが散りばめられた詩集である。どこまでもあたしはあたしであって、あなたはあなたである。似ていても同じではない。違っていてもどこか似ている。たくさんのあたしとあなたが、ここにはあるのです。

2016/01/06

コットン

名久井さんの装丁は題名や著者は背表紙のみ!この本だけのための紙を作るこだわり!と徹底している。その紙に印字される言葉も素敵だ:「あたしは空に到着 そこからあなたに 空語でお便りします」や「リュ―トを弾きながらあなたは あたしを見つめた 遠い昔」

2016/07/24

おくちゃん🍎柳緑花紅

図書館で受け取って驚いた‼この装丁の美しさ、手触り、サイズ。そして家に帰って早速ページを捲ってみた。綺麗な水色。肌触り、透かして見ると白いたて線が程よい幅で見えてくる。更に文字の配列。世界中の無数のあたしと世界中の無数のあなたの「時」はひとつ。でもそれは時空を越えて隔てられているし、すぐそこに触れあってもいる。あなたが朝の空に向かって大きく窓を開けるときあたしは残された命を考える。あたしが笑っているときあなたは。。手元に置いておきたい。あたしとあなたがここにいるから。

2016/06/16

かりさ

にび色の布貼りに規則正しく配列された青、白、金の模様表紙、鮮やかなブルーの和紙に押されたフォントまでもが美しい、谷川俊太郎さんの詩集。その佇まいは凛として背すじが伸びるようです。海を漂うような、あるいは空に浮かんでいるかのような、あたしとあなたは、ポツンと置かれたただの単語で、無機質のまま読むも良いし、血を通わせ肉付けし情熱的に読むのも良いかもしれない。余白にはカンバスのようにあたしのあなたの情景を描けばよいかしら。あたしとあなたは別々で、ひとつで、また離れて…寂しさをまとった美しさがありました。

2016/02/20

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