幸せについて
幸せについて / 感想・レビュー
シナモン
谷川俊太郎さんが綴るさまざまな「幸せ」手書きの文字も沁みます。💘…幸せが毎日の暮らしの低音部を担っていて、幸せだっていうことにも気づかないくらいの、BGMみたいな幸せが、一番確実な幸せかもしれない。💘じゃれ合っている二匹の子猫を見てると、どうして幸せな気持ちになるんだろう?子猫たち自身もきっと幸せなんだろうな、幸せってコトバは知らなくても。💘ときどき思う、死んでからヒトは、生きていたことが、生きているだけでどんなに幸せだったか悟るんじゃないかって。
2024/05/16
けんとまん1007
とても、あたたかで、奥深い1冊。谷川俊太郎さんならではの言葉で、幸せが綴られている。谷川さんの、これまでの人生と思索が相まって、この形になっている。読むたびに、味わいが深くなる。こんな風に、少しでも語れるようになりたいと思う。今思う。ただ、今、ここにいるだけで幸せなのだと。
2019/01/28
ルピナスさん
谷川俊太郎さん。失礼ながら苦労という言葉が似合わない才能の塊と思っていた。でも実は、戦争の時代を生き、創作と介護の両立で大変な時期もあったと。長い人生、本当に色々経験してきた上で語られる幸せ論に、うんうんと頷きいってしまう。一番胸に響いたのは、幸せはあっという間に壊れてしまうから”fragile”(壊れ物)と貼っておきたいという箇所。サヘル・ローズさんも「平和を当たり前と思わないで」と言われていた。確かに当たり前と思うと尊さが薄れてしまう。幸せを感じる気持ちをしっかり持って、壊れ物として大切にしたい。
2022/12/23
keroppi
谷川俊太郎が「幸せ」について綴る。短い文章でいろんな角度から見つめて自然体で書いている。「幸せ」という言葉がなければ「不幸」になることもないとも。「幸せ」は、自然に湧いて出てくるものかもしれない。この本が読めるのも「幸せ」のひとつ。
2023/07/17
里愛乍
「初めに自然に幸せがあった。不幸せはその後の不自然な人間社会から現れた」この一行にどきっとした。そもそもが「不幸」なんて言葉があるから、いやもっといえば「幸せ」なんて言葉があるから不幸せが存在するのではとすら、「幸せなんてコトバ〈ほんとは〉要らない」とあるように、全ては言葉のまやかしでは。少なくともこうして珈琲を飲みながら本書を読めるわたしは不幸ではないと思いながら。
2023/05/03
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